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ひたむきさが人を動かすことは少なくないという話

 以前、こんな記事を書きましたが「ひたむきさ」というのは、マネジメントの観点からも、ものごとを変えていくうえでも必要と考えています。

ユーザの信頼を得るためには、ひたむきさが大切

 以前こんな記事を書きましたが、ユーザと真摯に向き合ってくれる人って信頼されますよね。

 それに対して、話を聞かず、一方的に言いたいことを話すようなやり方は反発を受けることが多い。

相手の話をちゃんと聞いて、気持ちに寄り添うことで相手も本気になる

 プロジェクトを進めていくうえで、これも大事な視点だと思ってます。

・相手の話をちゃんと聞く
・相手の真意を理解する
・困っている気持ちに寄り添う

 まあ、困っていたり課題があるから話してくるので、そこをしょっぱなから「システムと関係ない」みたいな形でピシャっとやるのは得策ではないく、まず気持ちに寄り添ってあげることが必要。

 しかし「気持ちに寄り添う」ってよく話しているんですけど、難しいんですよね。。。

大変さを理解して深堀して、少しずつ解決に向けていくようなイメージ

ひたむきさが本気度を高めて問題の解決を早める

 これは何度も経験しています。

 下の記事で紹介したメールシステムの切り替えのとき、私はひたすらに「問題の掘り下げ」と「問題の優先順位」と「解決するにはどうしたらよいか」をホワイトボードに書きながら整理していきました。

 とても複雑な事象だったので、何度も何度も聞いて、気になることは全部質問して書き出して、ということを繰り返しました。

 それとあわせて「今どんな影響が出ているか」「いつまでに解決しないとどんなことが起きるのか」ということを書いていき、おおむね整理が完了した際に、ベンダ側の責任者が口を開きます。

「ちょっとよいでしょうか?」
「今日〇〇と××までする、そのうえで明日△△の調査に入るということが最短ということでよいでしょうか?でよければ、やります」
「え?先ほどリソースの問題をおっしゃってましたよね?人の確保は大丈夫ですか?」
「いや、これはとても重大な事象ということがよく理解できましたので、人はうちでどうにでもします。その代わり、インフラチームの方に〇〇のところは手伝っていただく必要があります。あと、100%じゃないので、そこはユーザの方にも理解していただく必要があります」
「それなら今すぐやりますよ、やりましょうよ」(インフラチームの方)」
「告知のところはもちろん引き受けます(私)」

 このあと、話は一気に解決に向かっていきます。

 これに拠らず、問題にきちんと向き合って「責任を取る」という姿勢を見せていると、問題の解決は早くなります。

ひたむきさが人を動かす

 これも何度も経験しています。
 以前、事業部門にいた時に、全社員の1/4くらいが選出されて関東に新しい事業所を立ち上げて新事業を創出するということを経験しました。

①前段階として、あらゆる業務を二つに分ける
②二つに分けたうちの一つのチームの中からさらに行く人を選抜する

というプロセスを取ったのですが、ここで私は「②のプロセスで除外された同僚や上司」の恨みを一身に受けることになります。

 「私たちは選抜されなかったんだから、選抜された人がやれば?」
 という感じで、
 誰も手伝ってくれないの。

 20代でこれはきつい。

 それまで熟練したパートさん数名+専任の社員が2名ついていた仕事を、新しく雇ったパートさん1人と私(他のプロジェクト多数兼任)で業務設計から行うことになりました。

 業務の組み立てなおし自体はでき、周囲のチームの方も手伝ってくださって推進もできたのですが、問題は出来上がったもののチェック。

私以外みんな新人だから、私しかチェックする人がいない(泣)

 夜中に必死でチェックをしていましたが、やはりちょこちょこと指摘はあり、でも、どうしても全件は無理ということで、やりながら頭を抱えていました。

毎日夜中3時までやっても終わらないとか、完全に無理ゲー

するとそこに、前の前の部署の上司(上の部署分割でもう一つの部署に分かれた人)から電話がかかってきました。

「そちらの成果物を見たうちのパートさんたちから「見落としがある」という話が上がっている。余計なおせっかいかもしれないけど、チェック体制を整えたほうがいいんじゃないか?」
「すみません。毎日やっているんですけど終わらなくて。。。」
「もしかして、一人でやってるのか?」
「はい。。毎日やってるんですけど、もう、限界かもです」
「…わかった、ちょっと調整するから、もう、何も言うな」

 その後「チェック業務を本社で引き取る」という話が上司間で進展するのですが、実はこの上司とパートさん、下の記事で紹介したチームの方々でした。

ものすごい勢いで完璧なチェックが上がってきたときには泣いた。

ひたむきさは伝わるもの、返ってくるもの

 そのあと、自部署の上司から話を聞くのですが、

・自分の部下だったときにぴょん吉が弱音を吐いたことは一度もない
・その彼女が「限界」というのであれば、それは本当に限界なのだろう
・仕事は調整したからうちで引き取る

という話だったそうで、、、
さらに手伝ってくださったパートさんから

 「実は、私たちに対してあの上司の人が頭を下げたの。10年以上あの人と仕事してるけど、こんなこと初めてよ。聞いたら、ぴょん吉さんが大変な思いをしているっていうじゃない。これはみんなでやってあげないとってなったの」
という話を聞くことになります。

 私があの部署で問題から逃げず、皆さんと向き合ってきたことが、時間をおいて、まったく思いもよらぬ形で、返ってきたのです。

 これは私のその後の会社人生における大きな「幹」の一つになっていきます。

 まあ、ずっと手伝ってもらえるわけではないので、その後の業務設計でまた苦労することになるんですけどね。。。それはまた別のお話。



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