テレビドラマ版「からかい上手な高木さん」がとても良かったという話
昨日は、Netflixの実写版のテレビドラマ「からかい上手な高木さん」の最終話を観終わりました。全8話でしたね。
そんなわけで今日は、この実写版の「からかい上手な高木さん」の話がしたい、したい、したい・・・と思うですが、今泉力哉監督は、X(旧Twitter)で、Netflixユーザーに地上波のTBS放送版がまだ6話で放映終わっていないから、あんまり情報開示しないで、と伝えています。
今泉力哉監督の故郷、福島県ではTBS放映より一ヶ月遅れた5月6日からTUFで放送されているんで、TBS版で最終回したとき、福島県の人たち最終回を観てないんですが。
とりあえず、この実写版のテレビドラマ版、良い作品であったということは言っていいんですよね。
ラスト、原作からかなり離れてしまっているけれど、これはこれで良いと思いました。
マンガやアニメだったら、何年、何十年と、中学2年生を続けられますが、生身の人間は成長してしまいます。
実写版を演じた月島琉衣さん(高木さん)と黒川想矢くん(西片)が観られるのは、今だけ。
時間とともに成長とともに、変化してしてしまいます。
その高木さんと西片を、テレビドラマというタイムカプセルの中に閉じ込めるためには、このようなラストを作るのは良いと思いました。納得の改変だったと思います。
原作と違うのがすべて悪いというわけではないですよね。マンガの原作にはなかった香川県小豆島をアニメでは作品の舞台としました。原作者の故郷が小豆島ということで。
これによってアニメはかなりよくなったと思っています。
今回のテレビドラマ版でも、アニメの舞台を引き継いで、小豆島を舞台にしています。小豆島にしたことで、現代でありながら、どこか懐かしい故郷の物語という雰囲気になって良い結果につながっていたと思います。
ほめていてなんですが、実をいうと今回のテレビドラマ版は、あんまり今泉力哉監督らしくない作品だと自分は思っています。
マンガ、アニメの原作があるので、それに近づけるようにとしていること、監督以外に脚本家が二人いいること、これによりかなり今泉監督らしさは抑えられています。
それにより、けっこう今までの今泉力哉監督作品と雰囲気がちがっています。
まず、話のリズム、テンポが早いです。今泉監督なら、もっとスモーローに描くような気がします。早くなったことで、テレビドラマとしてとても見やすくなっています。
またセリフも、あんまり今泉監督っぽくない気がします。今泉監督なら、セリフの聞き返しの回数が多いと思います。ストーリーに関係なさそうな会話が続くと思います。それがこの作品では、無駄を省きわかりやすかったです。
また小豆島の風景を美しく描いているのも、今泉監督らしくない気がします。人々が暮らす雑多な街並みならわかるんですが、自然の多い地域の美しさを撮影するというのは珍しい気がします。
もちろん、今泉監督っぽさもあちこちあるんです。
お風呂中で二人がそれぞれ歌うシーンとか。なぜお風呂?と思うけど、そりゃ今泉監督だからね。
もしかして、このテレビドラマ版を最初に観て、これから今泉監督の映画をはじめて観た人はびっくりするような気がします。
で、こんな良いテレビドラマ版が完成してしまうと、気になるのは今度の公開される映画版ですね。
作品の舞台は、テレビドラマと同じですが10年後の大人となった高木さんと西片が登場します。原作のマンガ、アニメに描かれていないキャラです。
今泉監督が映画に戻ったことで、どんなテンポにするのか、どんなセリフを言うようになるのか、もしかして、普段の今泉力哉監督にもどっているんじゃないかとヒヤヒヤしています。
原作マンガ、アニメ、そして自分が作ったテレビドラマ版とも、今回の映画版は戦わないといけないわけです。
脚本家もプロデューサーも音楽も、テレビドラマと同じメンバーだから、そんな心配はないもの、と信じたいです。
信じたいんだけど、映画ポスターで、高木さん(永野芽郁さん)と西片(高橋文哉くん)がにこやかに笑いあって顔を近づけていると、これぜんぜん「からかい上手の高木さん」ちがう!と思うんですよね。
不安なんですよね。
そんなわけで、早く映画観たいです。
というわけで、今回は、テレビドラマ版「からかい上手の高木さん」とても良かったよ、その分、映画版が不安がちょっと増しました、という話でした。ぜひこのテレビドラマ版は、大勢の人に観て胸をキュンキュンにして欲しいですね。