オリジナル曲か、カバー曲か

アマチュアライブにおいて、オリジナル曲をやるかカバー曲をやるかなのですが、一般的な認識として『オリジナル曲は優れてて、カバー曲は劣ったもの』という認識があるかもですが、実際にはそんな単純なものではない。

 カバー曲をやるのは、同人誌業界における『二次創作』のようなもので、それ自体は、文化として認識されるものである。
 また、実のところ、カバー曲をやるというのは、それなりに難しいものである。なぜかというと、他人のために作られた曲であり、他人の曲を吸収し、自分のものとしてアウトプットしなければならないためである。『瞬間瞬間に、新たな音楽を創造しなければならない』とは、大指揮者・フルトヴェングラー先生の言葉(音楽の教科書の裏表紙に載ってた)つまり、カバー曲こそ、真のオリジナリティが必要になる。それができていないと、単なるカラオケに過ぎない(実際、初めて行ったカバー曲ライブが、単なるカラオケオフ会にしか見えなかった)

 私、長い間カバー曲でライブやってたが、それができなかったからオリジナルに転向した、というのはある。

 ただ、アーティスト活動を長くやる前提で話をすれば、なるべく早い段階で、オリジナル曲を歌うという経験をしたほうがいい。自分のために作られた曲を歌うという経験は、その後の活動においても、必ずフィードバックされるものであるから。また、単なるカラオケでなく、ライブならではの醍醐味をお客様に与えることができる。
 また、オリジナルを持ってるということは、質の担保にもつながる。オリジナルを持ってる人であれば、ある程度の質を保証できるという、いわばブランドにもつながる。また、オリジナルを持っているということが出演条件となるライブもある(私も、そういうライブに出ていた経験がある)

 ただし、オリジナルの難点として、お客様に初見の曲を聴かせて、満足させられるかどうかという不安がある。正直、私もその不安があったから、長年にわたってカバー曲メインで活動していた。しかしながら、オリジナルに移行した結果、多くのお客様や共演者・イベンター様に評価されるようになった。オリジナル曲であっても、分かってもらえる努力をし続けていれば、むしろカバー曲以上に、お客様の支持を得られるようになる。オリジナル曲で支持を得られない場合、そもそも曲がよくない可能性、パフォーマンス力の問題、伝えようとする努力が足りないのかもしれない。そのことをよーく考えてみよう。


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