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コロナの頃4:カラス

 ある人とZOOMにて打合せをしていると、音声にカラスの鳴き声がちょいちょい入る。昼間だけでなく、夜も。そう思っていたら、ある明け方目を覚ますと外からカラスの鳴き声がした。まぁ、カラスなんていつでもどこでもよくいるもんだろうが、このコロナの頃で考えるとあながち関係がないわけでもなさそうである。

 夜明けの繁華街はカラスの天国だ。いつも通りの世の中であれば。
朝まで飲んで始発明けに駅に向かう渋谷や新宿の繁華街は道に出された飲食店のごみを行政や専門業者が回収するまでの間にカラスが吟味して頂戴する格好の時間。朝帰りの記憶はたいていカラスの声が聞こえている。
 もう1か月ほど渋谷新宿にもお邪魔していないが、営業自粛の中で出されるごみもかなり少なくなっているだろう。
と、すればカラスの重要な食糧源も絶たれる訳で、お腹を空かせた頭の良いカラスたちは当然食糧が発生すると思しきstay home中の人間の住処を求め移動をするのは想像に難しくない。

 そういえば、先日気分転換の散歩がてら日当りの良い庭園でクタっとしていらたば、鳩もいつもと違う振る舞いを見せていた気がする。餌をあげるつもりも素振りもないのに、非常に人懐っこく三羽の鳩が僕の周りをうろうろするのだ。あっちいけ、と威嚇しても気にせず。いつも餌をくれる「鳩おじさん」が来なくなってしまったからだろうか?(ほんとに鳩おじさんが存在するかは不明)
 なんかかわいそうなので、食べていた五目おにぎりから落ちたニンジンを足先でちょいっとあげた。さぞ歓喜してむさぼるかと思ったらそうでもなかった。
 一応、うろうろしながらたまに交互についばんでいた。そして、それと関係があるのかわからないが三羽のうちの二羽が突然くちばしで突き合いを始め「お、喧嘩か?こんな時に喧嘩してもいい事ないぜ」と思った瞬間に一羽がもう一羽の背中に乗っかって、一瞬何かした。
まさかと思い、その場でググったら案の定、性交渉を披露されていた。初めて見た。ほんの1,2秒の出来事だった。

 海外でも街に普段は見ないヤギやら猪やら野生の動物が下りてきているという報道を見る。いや、動物が街に下りてきたのではなくて「平成狸合戦なんとか」って映画でもそんなこと言っていたかもだけど、元々はここが彼らの住処でそこに戻ってきただけなのだよね。
 もう少し自粛やらテレワークでオフィスが休みが続く様だけど、それが明けた時にドアを開けたら狸やらイタチやらが住み着いていた!なんてニュースが出てきそうだが、その度に「いや、その前に”住み着いた”のはお前だろ?」と思うことになるっぽい。 

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