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いつか終わる

「いつか終わる」
これは私が高校生の時の恩師から言われた言葉である。
私は高校生の時、いわゆる進学校に通っていた。
通い始めた経緯としては、
①大学進学を目指していたため普通科高校に進学したかった
②市内の普通科高校に進学すると、小中時代からの知り合いが多く代わり映えせず面白くなさそうだったから
③合格範囲内だったから
の3つがある。

②に関しては、特に小中時代の知り合いが嫌だったわけではなかったが、
それほど思い入れがあったわけでもなく
新鮮味を求めていたことが大きい。
もともと飽き性で同じ環境に長くいるのが苦手であると最近気付いた。

以上の理由から、県内ではそこそこの進学校(トップではない)に進学した。
中学校までの勉強では、いわゆるトップ集団におり
頑張っていた自覚がある。
そのため、受験に落ちる心配もせず、入学時はそこそこの成績だったと思う。

高校では、1年生のときは成績順ではなく、
満遍なくクラス分けされており、
2年生から文理分け、加えて文理各1クラスずつAクラスというものがあった。
Aクラスとは、希望した人のうちで成績上位が入ることができ、
加えて学習の進度も早い。テストも他クラスとは別というクラスであった。

私は幸い中学校からの勉強の貯金で1年生はぼちぼちの成績で
2年生に上がるときにはAクラスに滑り込んだ。
滑り込めてしまったが故に辛かった。
この時点でおそらくクラスの中では下位3位くらいを争っていたのでは?と思う。

ここで私は挫折した。
今までそこそこ勉強していれば取れていたテストの点数が取れなくなり、
周りはそれはもう本当にたくさん勉強をしている。
加えて部活も結構しっかりやっている人が多かった。
みんな人は良いし、今でも大好きなクラスメイトであるが、
マジでみんな頭が良かった。
私は基本的に自己肯定感の塊であるが、
初めて劣等感を感じた。
これまで人に教えることが多かったが、
教わることが多くなった。

周りはみんな、別に私の順位がどうとかは気にしてはいなかったと思う。
しかし私は勝手に辛くなっていった。

授業中体調不良で抜けて保健室で大泣きしたこともあった。

そういう経緯で、私の恩師は私の異変に気づいてくれて、
時間があるときには話を聞いてくれるようになった。

そこで話していたときにもらった言葉が
「いつか終わる」
である。

良いことも悪いこともいつか終わる。
悩んでいても仕方がないし、悩んでいるうちに良いこと、楽しいこともどんどん過ぎていく。
私の悩みは、所詮高校にいるうちのあと1年ちょっとの話で、
だからもっと、
今という時間を大事に味わえという意味だと受け取った。

すごく簡単な、単純な一言であるが、
当時の私にはすごく響いたし今でも忘れられない。
恩師から言われたから良かったのもあると思う。

今でもたまに思い出す。

育児が辛いとき
パートナーとの関係がうまくいかないとき
仕事が忙しくて回らないとき

悩みというのは尽きないものだけど、
この一言はいつまでも私の心を支え続けてくれるだろう。

私もいつか、
誰かにとって

そういう存在になれるといいなと思う今日このごろでした。


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