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入社10年目管理職になるためのヒント パート1‐②

こんにちはItsukiです。前回から趣向を変え、有資格者の視点から経営における諸問題をストーリー風に語っていきます。管理職を目指す方、現管理職の方は是非参考にして下さい。

1.前回のあらすじ

老舗同族会社であるIT機器商社X社の社長から以下の相談を持ち掛けられた。①同社営業部長である息子(40歳)への事業承継
②業績低迷の原因である古い営業スタイルからの脱却
③経営基盤の安定化

2.コンサルタントAの思案

X社の社長と面談し、これまでの経緯についての説明の後、個別事項については今後、各部門の責任者から話を伺うこととなった。
まずは現状を把握するため管理部門を統括している同社の総務部長へヒアリングするとともに前々期と前期の試算表の提出を依頼した。
試算表をもとにX社の現状をまとめると以下の通りであった。

コンサルタントAは資料を見ながら思案した。
売上は減少傾向で前期はぎりぎり黒字。当期においては更に売上の減少が予想されるため赤字転落もありえる。
しかしBS(貸借対照表)は業種平均でみると優良な部類。前期の数字で見ると当座比率は146%(100%以上が理想値)、固定比率は社屋など大きな固定資産を持たないことから50%(100%以下が理想値)、債権回収期間もひと月と強みを有している。弱みとしては営業所の賃料や人件費等の固定費割合が大きいところか。
最大の問題は主力商品である複合機の売上が減少しており、これを補填する商材の扱いがないことにある。この点は社長自身が認識しているも新しい商材による売上確保には時間が掛かるだろう。営業部長である子息への事業承継をスムーズに行うためにも、X社の体制そのものを整えていかなければならない。

3.コンサルタントAのアドバイス

新しく取り扱うオンライン向けの商材(Webカメラなどの機材や勤怠システム、稟議システムなどのクラウドサービス)は従来と営業スタイルを変えていく必要がある。このため営業担当者への教育や新たな販路拡大を行うが、当面の売上は見込めない。
財務的には資金繰りに困らないよう借入金を増やすことをアドバイスした。増額の規模については今後事業計画書を作成し、これをもとに算出する。借入先である銀行への説明においても事業計画の内容があやふやでは必要な金額が調達できなくなる可能性がある。また、「売上減少」、「業態転換」となることから補助金の活用が出来ないか別途つめることとした。

いかがでした。業績はそこそこだけどなんだか先行き不安な会社は多く存在します。「組織も年を取る」と言われるように時代に合わない経営を続けていくとじり貧になってしまいます。「解決のヒント」として今後のコンサルタントたちの活躍を期待してください。
それではまた(^_-)

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