手放す

「ちょっと散歩にいってくるわ。」

居ても立ってもいられず、夕方4時、家を飛び出した。
ここ数日、エンジンがかからない。

この1年間、走り続けてきた。
年内の大きなイベントはほぼ完了し、ちょっと燃え尽き症候群気味なのかもしれない。

たくさんの場所に行き、たくさんの人たちと出会い、インスピレーションのままに動いてきた1年。
一方で、いつも、思い通りに事が運ばない焦りとの戦いでもあった。

今朝、グーグルフォトが、ずっと探していた1枚の写真を表示してくれた。
10年前、青梅マラソンに出場した時の写真。
なんのことはない、30kmの工程の半分も行かないうちに、タイムアップでバスに回収された、悔しくもほろ苦い思い出。
この数ヶ月後、私はフルマラソンを7時間かけて走り切った。

マラソンに燃えていた10年前のわたしも、そういうえば焦っていた。
なかなか正社員になれず、子育てや家族のことでも悩みが尽きなかった。
とにかくこのままではいけない、何か変わらなければ、という理由なき焦りが、わたしを走ることへと突き動かした。
状況は違うが、あの時の焦りと、今の焦りは、少し似ているかもしれない。

「焦り」を、手放す。
「思い通りになる」を、手放す。

まだまだ、手放すことはたくさんありそうだ。