8歳の彼女が見せてくれる景色
最近、隣人の8歳になる娘さんと一緒に、お散歩をすることがよくある。
今日も朝6時に彼女を預かり、ママをバス停まで見送った後、近くの公園に出かけた。
彼女は無口だ。
散歩の間は、ほとんど声を発しない。
けれど、歩みの間に時折私を見上げ、「大丈夫?ついてきてる?」というように、ひたむきな視線を送ってくる。
彼女は、マイペースだ。
自分の好きなポイントでは歩みを緩め、五感をフルに稼働させる。
ざらざらとしたアスファルトの感触、朝露でしめった草の匂い、公園を行き交う人々の会話。
時折立ち止まり、耳をそばだて、遠くをじっと見つめる様子は、私には聞こえない、誰かの声を聞いているようにも見える。
そんな彼女と一緒に散歩をしていると、いろいろな発見がある。
歩いたことのない道を通り、行ったことのない公園を見つけ、高台の住宅地から見える市内の景色の美しさに、はっと息を飲む。
夜の散歩では、タヌキの親子にばったりと出くわしたこともあった。
いつも見ている風景が、彼女と一緒だと、違った景色に見える。
今日は、近所の公園に行くと、2人のおじいさんがベンチに腰をかけて雑談していた。
「おはようございます」
普段、道ですれ違っても、挨拶することもないおじいさんたちに、自然と声をかける。
朝の公園は、おじいさん、おばあさんたちのパラダイスだった。
ラジオ体操がはじまる時間に合わせて、おじいさん、おばあさんたちが三三五五、集まってくる。
みなさん顔見知りらしく、朝の挨拶を交わしながら、打ち解けた雰囲気で、ざっくばらんな会話を楽しんでいる。
私の20年後、30年後も、こんな風に過ごしているのだろうか。
その時、私の隣には誰がいるのだろう。
ふとそんなことを思いながら、彼女に腕を引っ張られ、公園を後にした。
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