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『バイアス』は私たちの敵か、味方か。ーBias is your Enemy or Friend ?ー

皆さん、こんにちわ。ビジネススパイラルオフィス『パズル一番町』です。
3月に入り、少しずつ温かい日が多くなり春を感じつつあるものの、そうなると本格的になるものが「花粉」。
パズル一番町でも「花粉」に悩まされているスタッフがおりますが、皆さまはいかがでしょうか?
春の到来とともに、早く「花粉」の季節を乗り越えたいものですね。

さて、今回のパズル一番町の記事は、『バイアス』について考察していきたいと思います。
先日、書店でこういった本を見つけました。

こどもバイアス辞典 株式会社カイゼン(監修:犬飼 佳吾氏)

子どもさん向けに書かれた『バイアス』についての本です。
「いかに日々バイアスによって翻弄されているのか、どうやったら無くせるのか…」をいうことを考えるようになり、その解を出せぬままだったため、そのヒントになるかと手に取り、購入してみました。

■そもそも『バイアス』とは

バイアスとは、簡単にいえば「思い込み」「決めつけ」「先入観」のこと。

【語源】英語のbias(バイアス)。
【意味】先入観、偏り、傾向、偏見、思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み・決めつけ、得られる情報が偏っていることによる認識のゆがみといった意味で使われる言葉。データなどの偏りといった意味でも用いられることもある。

参考:同書より

バイアスですが、いかがでしょうか。
「私は、バイアスにそれほど影響を受けていないよ」
「バイアス?私は、思い込みはしないようにしているから」

そう思われるかたも多いのではないでしょうか。
もしかすると、それ自体がバイアス(=思い込み)なのかもしれません。

ここで著書より「7つのマイナスの思い込み」についてご紹介したいと思います。

参考:同書より 心理学者 イローナ・ボニウェル博士による分類

上の表を見てみて、いかがでしょうか?
上記にあげられているような「思い込み」、思い当たることはありませんか?
筆者は、「べき思考」「不安思考」はしないようにしている思考ですが、無意識にこの思考に支配されていることが思いのほかあるように思いました。

ここで重要なのは、「自分自身にバイアスがあるということを知る、認識する。」ことであると。

バイアスのやっかいなところは、「無意識」にその思い込みや決めつけをしていることですよね。(アンコンシャスバイアス)
そんなつもりはない(はず)なのに、実は無意識なバイアスの連続により、何かを決断、判断している可能性が多々あるということです。
これはある意味、とても怖いことだ感じてしまったのですが、いかがでしょうか。。。
この観点からバイアスをみると、私たちにとってのある種「敵(enemy)」であると捉えられますね。

ここからは、著書にあるバイアスをさらにいくつかご紹介させていただきたいと思います。
大きく3つに分けて紹介されているので、その中からいくつかピックアップさせていただきます。

■知っておくと人生に役立つバイアス(10こ)

(1)都合のいい情報を集める「確証バイアス」に要注意
(2)いつも間に合わないのは「計画錯誤」のせいかも!
(3)「アンカリング効果」を知り、損をしないようにしよう!

■知っておくと人間関係で役立つバイアス(10こ)

(4)やっぱり本当だろうか「後知恵バイアス」
(5)「あの人たち」とくくりがち!?「外集団同質性バイアス」
(6)好きな人に近づきたいなら「単純接触効果」

■バイアスで面倒な大人の気持ちがわかる!?

(7)えらそうな人にありがち「ダニングクルーガー効果」
(8)ありもしないことを言うのは「虚記憶」のせいかも!
(9)口うるさい原因かも!「ネガティビティ・バイアス」

などなど。。。。
何だか見るだけでも、訳もなく「ドキ!」としますねw

(1)の「確証バイアス」とは、自分にとって都合の良い情報ばかりを集め、自分の考えを否定する情報や都合の悪い情報を無視したり、目を背けてしまう傾向のこと。
どうしても、安心したい、不安を持ちたくないという傾向から都合のいい情報を受け入れるというのは誰しもありますよね。
ここでは、賢い人ほど自分の考えとは反対の意見に耳を傾け、見たくない情報を直視することで、自分の間違いに早く気づくことでいち早く問題に対処できると。

こう考えていくと、私たちの周りには「バイアス」に埋め尽くされているように思いますね。いかにバイアスを取り除き、客観的に見たり、聞いたり、認識しなければ正しい判断と行動ができない!バイアスは私たちの「敵」となるのか!?

そこで更にもう一歩考察を深めたいと思います。

■生きるためにバイアスは必要なのかもしれない…

では、人間にとってバイアスは不要なものなのか…
進化心理学では、人間が進化する過程で環境に適応するためにバイアスは生まれたものとする考え方があるとされており、私たちにとって必要なものでもあるのではないかと。

ここでポイントは、
・バイアスを持っているのだと自分がきちんと認識し、受け止める事
・バイアスをうまく活用すること

大きくいうとこの2つ。

例えば、失敗をした後に「ネガティビティ・バイアス」により悪い記憶のほうが残ってしまいますが、これを嫌だからと言って忘れてしまうと、また同じ失敗を繰り返すかもしれないし、同じ失敗を繰り返さないために対策を考える、、、と、思考が働き、新たな行動が生まれますよね。

バイアスは、「敵」か「味方」か。
時に敵であり、味方であるということなのかもしれません。
良い結果を生み出すために、自身でバイアスの現状を感知・認知・受け入れる強さを持つこと、そしてその気づきをうまく活用できるようにすることでバランスよくバイアスを味方にすることができるのではないでしょうか。

■ビジネスにおけるバイアス

これをビジネスで置き換えてみましょう。
過去の経験値からくる『バイアス』によって、リスクからビジネスやその資産を守ることができる。半面、バイアスにより、新しいものやアイデア、出来事に対する不安など(現状維持バイアス)から、チャンスを逃してしまうこともあるでしょう。
ビジネスにおいて、どのようにバイアスを上手に活用するのか。
あなたはどう考えますか?

著書ではいくつかのバイアスを紹介されていますが、バイアスは一瞬一瞬、数多存在します。
そのバイアスをうまくハンドルできるように、筆者も「これはバイアスかも!」と心で叫びつつ、活用できる胆力を身につけたいと思います。



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