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36 妻の仕事の足をひっぱる

時短勤務

  小学校と保育園の送り迎えのために、私は時短勤務で復帰をしました。少しでも子どもたちと一緒にいたいし、仕事をフルタイムですると、家事育児が十分にできないと考えたからです。育児休暇中の家事育児は私がすべて担っていました。復帰したからといって、不在がちな夫に子どもを任せるのは物理的時間的に難しい状態でした。だから時短勤務はとてもありがたい制度です。
 1か月もするとなんとか生活のリズムができ、出勤前に10分だけ時間に余裕ができるようになりました。その時間で、コーヒーショップで朝食を済ませ、出勤するのが私の楽しみでした。仕事から帰ってからは、お迎え、買い物、料理、洗い物、お風呂、寝かしつけ、洗濯、掃除、そして遅く帰ってくる夫のために別メニューの料理を温めなおし、その片づけ・・・全く座る余裕もないし、くたくたです。だから朝の10分は私にとって貴重な息抜きの時間でした。そうすることで、出かけられないストレスを軽減できたし、前向きに頑張ろうという気持ちで一日を過ごせる気がしたのです。一人になったり、じっくり考えたり、リラックスする時間は、この生活スタイルでは絶対に家では持てないので、本当に貴重な時間でした。




妻の些細な楽しみが許せないモラハラ夫


 それでも週3回いければいい方です。コーヒーショップに通っているのは夫には内緒にしていました。全く行っていない、というと嘘になるので、たまに
「今朝はたまたま時間があったから、コーヒーでゆっくりしたよ」
と報告しました。夫は
「ふーん、いいね自分ばっかり、俺なんて朝7時には出てるで」と不機嫌になりました。自分の生活スタイルは棚に上げて、とにかく私の嬉しそうな姿に嫉妬するのです。そういうことがあり、次第にどんな些細なことも内緒にするようになりました。夫婦の会話も、私から話しかけることは減っていきました。

  そして後日、別の問題でもめたときに、このことを責められました。確か、節約したいから協力して、と訴えた時です。

モラ夫「給料減らしてまで毎日コーヒーショップに通って、自分勝手、わがまま。そんな暇あるなら早く仕事行ってお金稼がな!貯金もほとんどできてないやん。自分は有休で遊びまくって、わがままやで」
論点のすり替えと責任転嫁ですね。なぜ当時気づかなかったのでしょう。とにかく謝って許してもらったのを覚えています。

 家事育児をほとんどせず、平日の夜も土日も自分の趣味の用事で出かけて不在の夫にそこまで言われても、私は言い返すことができませんでした。私が謝るまで、同じことをずっと繰り返し、最後は不機嫌になり、部屋にこもって翌日は無視、こどもたちはびくびくするのです。そうなるくらいなら、謝って、夫の機嫌をとって、笑顔で過ごす方がよっぽどマシ、と我慢していました。もう、夫にわかってほしいとか、歩み寄ろうという気持ちはほとんど消えていました。


魔法の法則なんてない

 世間で言われているような、夫を立てるための言葉かけとか、夫婦の絆を保つための方法なんていうものは、相手にモラルがあって初めて役に立つのです。心理学の本を読んだり、夫の気持ちを理解するために声掛けやタイミングを工夫したり、様々な工夫をしましたが、すべて不発でした。かえってイライラさせるので、私は「やっぱり私の言い方がまずかったからだ」と自分を責めたものでした。
 モラルのない相手には、どんな手段で歩み寄っても無駄です。人の気持ちが理解できないのです。そのことをもっと早く知っておけば、と今では思います。


妻の仕事の足を引っ張る行動の数々

(1)妻が出勤しているかの行動チェック

モラ夫が休みの時です。事務員さんが私の所にやってきました。
「ご主人から今朝電話がありましたよ!会議中だったので、席外してますと伝えましたけど・・・」
急いで携帯をチェックすると、夫からの着信が何度も入っていることに気が付きました。仕事中は基本的に携帯を触らないので、全く気が付きませんでした。だから私の職場に電話をかけてきたのです。よっぽどのことがあったのだと思い、すぐにかけなおしました。
「もしもし、ごめんね気づかなくて、何かあった?」
モラ夫「いや、何もない。今日仕事行ってる?」
「は?当たり前やん。用事じゃなかったの?」
モラ夫「用事ない。じゃあ」
 夫の行動チェックでした。出勤していることがわかったので、用事は済んだのでしょう。心底私のことを信用していないのだな、と夫への気持ちもスッと冷めていきました。用事もないのに職場に電話をかけるなんて、とぞっとしました。こうやって、私の行動をすべて把握しないと気が済まないくせに、自分はどこに遊びに行くとか何も言わずに出かけていくのです。モラハラ夫は自分は良くて相手はダメ、相手の気持ちが全く理解できないし、しようともしないのです。それでも子供が2人もいるので、この生活を壊してまで離婚するほどのことは思いつきませんでした。夫の行動は理解不能でしたが、暴力を振るわれるわけでもありませんし、病気もケガもせずとにかく夫が生きているだけで十分と、一切の期待を捨てて生活していました。


(2)子連れ出勤できないなら辞めれば

私の仕事は、ごくたまに、土日の勤務があります。そういう日は、夫に子どもの世話を任せるのが普通だと思いますが、我が家の場合は違いました。私の仕事よりも、夫の遊びの用事の方が優先なのです。夫ははなから子どもの面倒を見る気はありませんでした。だから夫の母親に頼むか、無理な場合は私が子連れ出勤するしかありません。

 夫や義母に任せても、満足に食事を与えたり世話をしたりできないので、子どものためには子連れで出勤した方がマシ、という気持ちも私の中にありました。夫や義母は食事の代わりにお菓子やジュースばかり与えて、テレビや動画を好きなだけ見せて自分は昼寝です。洗濯も、私が夜帰る直前に干したり(朝からタイマーで洗濯しても全く意味がありません)子どもを放置したまま夜になることがざらでした。帰宅した私への第一声は「お腹空いた。何にも食べてない」です。本当に腹が立ちました。私は一日中働いてくたくたなのに、です。

 だから子連れ出勤して、夫抜きで夕飯を外食して帰る方が、精神的にも体力的にも楽でした。子連れ出勤した日は、結局夫は遊びに行って、私たちが寝た後に帰宅してくることが殆どでした。


文章で書けば書くほど、結婚生活の意味が見いだせなくなってきました。本当に、何故もっと早く別れなかったのでしょうか。

次回に続きます。



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