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46 楽しむ姿が許せない

バーベキュー


いつものメンバーである夫の友人たちと、それぞれの彼女さんたちと遠出してバーベキューをしました。女性陣は野菜を切り、男性陣は火を起こして焼いて取り分ける係でした。バーベキューのいいところは、男性陣が中心になってくれるという所です。
夫の友人「はいもうこれ食べれるよ!」
とお皿に次々と肉や野菜を取りわけてくれました。
「お酒もありますよ。みんな飲みましょう」
「いいの?じゃあ遠慮なくー」
などと言いながら、みんなでお酒を楽しみました。男性陣は昔からの友達でしたが、その彼女さんたちは初対面でした。いつのまにか男性と女性に分かれて、おしゃべりが弾み、それぞれパートナーとの出会いから、日ごろの愚痴を披露し、「わかるわかる!」と言いながら仲良くなっていきました。男性陣たちは全力で子供と遊んでくれて、私のこどもたちはかなり懐いていました。久々に子どもから手が離れて、食事に集中できて、それもバーベキューの嬉しいポイントでした。まさか夫がそれを良く思っていないなんて、全く気づきませんでした。

 みんなでおしゃべりしていると、夫が「子どもを散歩に連れて行くわ」と言いました。
「いいの?ありがとう!」私はその申し出をありがたく思いました。夫と子どもたちが行った後、「任せても大丈夫かなあ」と友人たちにこぼしました。
夫の友人「父親だから大丈夫でしょ!今日は息抜きしたらいいんですよ。毎日ずっと子どもの面倒見てるんだし」
「それもそうやね、今日くらい任せても大丈夫よね」
そして引き続きおしゃべりに夢中になることができました。誰も責めないし、不機嫌にもならない時間。心からリラックスすることができました。誘ってくれてありがたい。次回も絶対に呼んでもらおう!

パパと散歩

1時間ほどしても、夫は下の子を連れて散歩にいったきり、なかなか帰って来ません。携帯も出ません。
私「ちょっと心配やから見てくる」
とその辺を探してみましたが検討もつきません。雨も降ってきました。友人たちは「そんなに心配しなくても大丈夫でしょう」と言ってくれました。
そうこうするうちに夫が不機嫌そうに帰ってくるのが見えました。


モラ夫「息子が水たまりに入っちゃったから、靴下買いに一番上の店まで行ってたんやで」


「そうなんだ。大変やったね、遅いから心配したよ。ありがとうね」


モラ夫「…」
まただ。明らかに不機嫌そうに黙り込みました。水たまりに入るのは、子どもなら普通のことです。靴下を準備していなかった私が悪いのかな、と思いましたが口に出すのはやめました。

帰宅後、夫の機嫌がまだ悪いので、気が気ではありませんでした。空気が重いのにたまりかねて、明るい声と笑顔で言いました。
「楽しかったねー」
モラ夫「そりゃあんだけ子どもほったらかしてみんなとしゃべっとったら楽しかったやろ」
心臓がチクっとしましたが、寝たら戻るだろうとその日は気にしないことに努めて、普段通り過ごしました。

そのように日々をやり過ごし、いつの間にかその日の出来事を忘れてしまいました。

数年後も根に持つ

ところが夫はあのバーベキューの出来事を何年も根に持っていたことがわかりました。数年後のある日、関係ないことで機嫌を悪くした夫にものすごく責められたのです。バーベキューの日のことを言っている、と気が付くまでに相当な時間がかかったのも、怒りに触れてしまいました。あんな大事なことをすぐ忘れるような程度にしか反省してない!だから全ていい加減、信用できない、という論理でした。

モラ夫「バーベキュー行ったやろ」
「は?いつ?去年のロッジみたいなとこ?みんなで泊まって楽しかったねー」
モラ夫「ちがう。もっと前。山の中にみんなで行ったやん」
急な話で何のことやら思い出せず、「えー?そんなん行ったっけ?」としばらく思いを巡らせました。


モラ夫「ママは、子ども放置して、酔っぱらって、俺がずっと面倒見てたやん。人に迷惑かけといて忘れたん?信じられんわ。それでも母親か?失格やろ。親として責任があるやろ。そんな性格やから信用できひんねん。酒に溺れすぎやろ」
まくしたてられましたが、まったく身に覚えがありません。お酒に溺れる?子どもを放置?一体どの場面のことでしょうか。


「普段から圧倒的に私が子どもの面倒を見ているし、夫の友人も彼女さんたちも私に気を使って、ゆっくりしたらいいよと見守ってくれていたよ。私も楽しかったし、面倒見てくれたことに感謝していたよ」
しかし夫の怒りは収まりません。


(ああこの人は私が楽しむことが心底許せない人なんだな…)
ただただ、わかってもらえないことにさみしさを感じ、傷きました。妻のことをここまでひどく言うものだろうか。

その後も事あるごとに、私の過去の『失敗』を引き合いに出しては責めるのです。うんざり。
いっそ暴力をふるってくれればいいのに、そしたら私もあきらめがつくしすんなり離れられるのに。心の奥でつぶやきました。


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