[神経内科] 正常圧水頭症

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[神経内科] https://note.com/putinorder/n/na859cc286adf
[歩行障害①] https://note.com/putinorder/n/n7288b4db3da7

[1] 概念

3徴:歩行障害、尿失禁、認知症
髄液圧が正常(7〜18cmH2O)にもかかわらず脳室が拡大している病態。
特発性と続発性(SAH後、頭部外傷後、髄膜炎後など)がある。

[2] 診断

身体所見と頭部MRIによる。
頭部CTやMRIを用いて、頭蓋内病変がないことを確認してから髄液検査を行うことは必須である。
髄液検査前にMMSEやHDS-Rなどで認知機能を評価し、一定の距離の歩行にかかる時間を測定しておく。
腰椎穿刺で30mL程度髄液を採取し、症状が改善するかを見るtap testを行うことがある。

[3] 治療

ホンモノの正常圧水頭症であればtap testで歩容も認知機能も改善する場合がある。何らかの原因により頭蓋内で産生される髄液が適切に排液されないことで発症するため、側脳室から腹腔へ髄液を流すV-P shuntをつくる手術を行う。
通常 成人の髄液量は150mL程度で、1日に 500mL程度作られており、1日に3回ほどは入れ替わっていると言われている。それが30mL程度抜くtest程度で改善するのか以前から疑問に思っていたが実際に良くなるんだから仕方ない。

診断や治療ができるか、よりも歩行障害患者を診たときにこの疾患を想定できるかが重要だと思う。

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