[神経内科] Parkinson病

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[1] 概念

中脳黒質の神経細胞の変性(細胞体が壊れること)によりドパミンの産生が低下する病態。線条体(被殻+尾状核)におけるドパミン濃度が低下して発症する。
中脳黒質の変性以外の要因でドパミン産生が低下してParkinson病のような症状が出るものをParkinson症候群とまとめて称する。

[2] 症状

錐体外路症状を呈する。
   動作緩慢、すくみ足・小刻み・加速・前屈位歩行、方向転換困難
   筋強剛、静止時振戦、姿勢反射障害など

自律神経障害(起立性低血圧、けっこう頑固な便秘)

うつ、認知症など

REM睡眠行動障害、切迫性尿失禁、嗅覚低下、むずむず足症候群

[3] 検査

Parkinson病はMRIで明らかな特徴がないことが特徴
MIBG心筋シンチグラフィーで取り込み低下あり
DaT scan (ドパミントランスポーター) を行う

[4] 治療

ドパミンが不足している病態のため、ドパミンを補充すると良い。
しかし、ドパミン自体は血液脳関門(Blood-Brain-barrier; BBB)を通過できないため、ドパミンの前駆体であるL-Dopa(レボドパ)を投与する。

抗Parkinson病治療薬の急激な中断で悪性症候群を来す場合があるため注意する。
悪性症候群では錐体外路症状、高体温、自律神経症状、精神症状、高CK血症などを呈し重篤になり得る。補液により脱水・電解質異常を補正して、全身のクーリングを行いつつ、ダントロレンを投与する。

[ダントロレン投与法]
ダントロレン [20mg/V] を注射用水 60mLに溶かす。
初回投与量は40mgとして30分程度かけて投与する。
症状の改善がない場合は20mgずつ追加投与する。
1日総量は200mgまでとして、7日間までの投与とする。

経口投与可能であれば、1回25〜50mgを1日3回内服させる。

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