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0049 ピーター・ウィアー監督『危険な年』聖地巡礼

2022年12月30日(金)と31日(土)にフィリピンのイフガオ州バナウェでピーター・ウィアー監督『危険な年』(The Year of Living Dangerously)の聖地巡礼をしてきました。

作品は、1965年スカルノ政権末期の激動のインドネシアを舞台に、オーストラリア人記者ガイ・ハミルトン(演:メル・ギブソン)と英国大使館員ジル・ブライアント(演:シガニー・ウィーヴァー)との愛のドラマが描かれます。オーストラリア人監督のピーター・ウィアーは『ピクニック at ハンギング・ロック』で注目されてメルギブとのコンビで『誓い』そしてこの『危険な年』を撮ってから、『刑事ジョン・ブック 目撃者』でハリウッドに行っちゃいました。

因みに、この映画の音楽はモーリス・ジャールが担当しているのですが、予告篇や主人公二人のラブシーンで流れる「危険な年 愛のテーマ」に相当するBGMはヴァンゲリスの「野生 Opera Sauvage」(←実はドキュメンタリー映画のサントラ!)の「子供  L'Enfant」が使われています。エンドクレジットでは「Excerpts of 'L'ENFANT' from 'OPERA SAUVAGE' by arragement with Spheric B.V./Warner Bros.」のみの表記で「performed by Vangelis」が無いんです!全くもってけしからん!

この映画の舞台はインドネシアなんですが、作品内容からジャワ島現地ロケが許される筈もなく、マルコス政権下のフィリピンで撮影されてます。

という訳で、今回の巡礼先はメルギブ演ずるガイ・ハミルトンが現地運転手(実は反スカルノ派の共産党員)に連れていかれたジャワ島の田舎設定のフィリピンのバナウェ。インドネシアにはジャワ島やバリ島に棚田(ライステラス)があるのですが、フィリピンにも棚田(ライステラス)がルソン島にあって、インドネシアとフィリピンのローカル感の差異を最小限に留めてます…というか全く気になりません。

まずはプールの登場。宿泊したバナウェ・ホテル&ユースホステルにありました。
Banaue Hotel and Youth Hostel
バナウェで最も高級で大きなホテルなんですが、オーストラリアからやってきたメルギブや撮影隊は現地ではトップクラスの宿泊施設に泊まりますし、撮影にも使われますよね!
宿泊したホテルがそのまま聖地なのはロンドンのロイヤル・ホースガード(テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』と聖デヴィッド・リンチの『エレファント・マン』)以来です。
映画本篇でメルギブがプールサイドで寛いでいる反対側で汚いプールに飛び込んでいるのは運転手の妻(地位の高い共産党員)。

なんかプール汚いな…
聖地巡礼時のプールはとても綺麗でした
プールが汚くても飛び込んじゃう
プールが綺麗でも飛び込みません

でもってメルギブ演ずるガイ・ハミルトンが運転手とお茶をするのが、バナウェ・ライステラスのビューポイント。
Banaue - Wikipedia, ang malayang ensiklopedya
到着したの2022年12月30日(金)はあいにくの霧で全く棚田を見ることが出来ず、「このままでは聖地巡礼した事にならない!」と焦りましたが、翌12月31日(土)は見事に快晴。逆光になってしまいましたが、棚田を目の当たりにして「ちょっとメルギブな感じ!」でした。

ちょっとメルギブな感じ!
やっぱりメルギブな感じ!

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