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アイドル(偶像)について感じたこと

地元フルマラソン大会(大手)の応援に行った。ゴール直前の道の角でローカルアイドルが一生懸命踊っていた。ヘトヘトで顔も上げられない大半のランナーは通り過ぎるんだけど、一部の人は彼女に手を振ってあげていた、それが尊かったという話です。

仮設ステージともいえない、石畳に2畳ほどのマットが敷かれ、マイクと少しの音響設備に数名のスタッフがいるだけ。出演は彼女だけではなく、他にもチアガールや応援団が控えていた。その中のひとりだった。

レースはクライマックスだが、コーナーで人々は内側に向かって弧を描いており、それゆえ直角の縁石の角でツインテールの彼女の存在はひとまわり小さかった。私は背後から回ってゴールへランナーのお迎えのため通り過ぎただけなのだが、後ろから見る彼女はとても激しい手足の振り方だった。

それを一生懸命なことが伝わる動きと見るか、ヤケクソのアクションと見るかは見る人に委ねられるのだろうか。私は後者だった。こなしていると思った。こんな顧みられにくい場所で人を励ます目的の仕事をさせられて。

でもそれは、私が基本的にアイドルという存在にネガティブな思いを抱いているからだろう。

ランナーはアイドルを見る身体的な余裕ってあるのかな。ここに来る手前に長い大橋がある。電車の窓から見たとき、へたばって手をついている人もいた。そんなことを思い出すと、私のように存在に疑問を抱く暇も時間もないまま手を振りながら過ぎ去るのが、ただ尊いと思ったのです。



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