見出し画像

眠れない夜の過ごし方・・・ちょっと唸ってみた。

こんにちは、ぷるるです。

おとといの夜は、なかなか眠れずに困りました。
理由なく目がさえてしまったんです。

けれど明かりはつけられません。つけたら最後もう寝られない気がするから・・・
あー眠れない。退屈だ。私はベッドの上でゴロゴロしていました。

その時、ふと思ったんです。

「ひとつ、うなってみようか・・・」



うなるとは、犬が怒った時に歯を剥き出してやる、あの「唸り」です。

写真ACより。これは全然怖くない唸りですね。むしろ可愛い。


考えたらこれまでの人生、一度もうなったことはありませんでした。

それで困ることなど、何もない。
でも人生とは体験の積み重ねでもあります。

もしかして今こそが、うなる大チャンスなのかもしれない・・・
それを掴まなくて良いのか。後悔はしないのか。

気づけば私は暗闇の中、「やるしかない」と小さくつぶやいていました。


まずは力をこめて、「ゔ〜〜〜」と一声。初うなりです。
自分にしては低くにごった音が出たけれど、迫力に欠ける気がします。

うなるとは威嚇行為、もっと恐ろしいものであるべきじゃあないか?
たぶん真剣味が足らないのだ。私は反省しました。

そこで固く目をつむり、脳裏に凶暴な犬の姿を思い浮かべることに。

「ぅがっ ぐるるるる〜〜」

悪くはない・・・でもまだ何かが足りない、そんな気がします。
うなりってこんなもんじゃないよ。もっと鬼気迫った感じが欲しいな。

その時です。

対象が必要なのでは?!


ひらめきが訪れ、ハッとしました。

犬は嫌いな相手や怖い相手に唸るんじゃないっけ?
そうだよ、対象がなくちゃ本物に近づけない!

私は隣でぐっすり眠っている、夫の背中に向けてうなってみました。

彼を嫌っても恐れてもいませんが、この家には私と彼の二人だけ。
よって仕方ないことなのです。

「がっがうぐるる〜、ふっっ、ぐるるるる・・・」

夫は無反応でしたが、私は強い手応えを感じました。
やはり対象を定めたのは良かった。うなりにぐっとリアリティが加わった。

さあ、もう一押しうなってみよう。もっと精度を高めて、歯もむき出さねば。

ところがそう思った瞬間、突然に笑いが込み上げてきたのです。
まあ、我に返っただけなんですけど、これは由々しき事態であります。

笑ったら緊張感が抜け、これまで積み上げてきたものが台無しになってしまう!

しかし「笑ってはいけない24時」で実証されている通り、ダメだと思うほど人は笑ってしまうもの。
私は『うなる→笑う 笑う→うなる』の無限ループに入ってしまいました。

うなりを経験したい気持ちと、我にかえる瞬間のラリーが続く中、いつしか記憶はフェードアウト・・気づいたら朝になっていました。
いつの間にかぐっすり眠っていたようです。

そして目覚めた時、あの「うなりたい気持ち」はもう残っていませんでした。
まだ納得のいく「うなり」を体験していないのに!

試しに翌夜もう一度うなってみましたが、もうちっとも面白くありません。
すぐに取りやめ、普通に睡眠へと入りました。

ところで、今回の「うなり」体験で私が得た気づきがあります。それは

喉にとても負担がかかる


ということ。
2日ほどイガイガして困りました。多分、もう二度とうならないと思います。

みなさまもうなる際にはご注意を。


ところで私はなぜ、突然うなりたくなったのでしょうか。
まったく疑問に思わないと言ったら、うそになります。

人の行動には往々にして原因があるものです。もしかして私の中には、うなりを誘発する要素が、ずっと眠っていたのかも・・・

でも、今のところ追求する予定はありません。

分析をすれば、何かでてくるかもしれないですね。
それが人生の転機になる可能性も、ゼロとはいえません。

でも、「ちょっとやってみた」ぐらいに留めておきたいんです。

だってこの世はすでに、たくさんの意味づけであふれているのですから。
意味の中で、溺れ死んでしまいそうなぐらいに。

あとから家族や友人に話して、笑い合えたらそれで十分。
おいしいものでも食べながら。ゴロリと寝そべりながら。

意味なんか、そのぐらいでちょうど良い。

役に立たないこと、無駄に思えること、しょうもないことの気楽さと面白さを、大事にしていきたいのです。

大人になっても、人生経験が増えても。





この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,534件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?