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[2021-020] 日本印刷文化史

読了。めっちゃ面白いのでおすすめ本です。久々の大当たりでした。

視点が印刷という少しかわったところから、日本の印刷の始まり、木版印刷、活版印刷の利用と変遷、もちろん錦絵なんかの話も出てくるんですが、そこから今の情報化社会を考えるといつの時代も、印刷・そして文字が、人と人との間で情報を流通させる手段であり、その速度の高速化と産業・文化の高度化は深く結びついているということが様々な文献調査を通じて語られていると思います。この本には、”これまで”の情報伝達の発展について書かれており、その急速な高度化で生じた諸問題にも記述があり、そしてそこから、”これから”の情報伝達の発展が人にとってどのような影響を与えるのか?ということを考える切っ掛けになりました。

また、印刷方法と言語の在り方はとても密接な繋がりを持っていて、アルファベットが情報伝達上、印刷上において利点が大きいとの同時に、日本語の言語が指し示す意味性についての差異を考えられずにはいられないように思います。そこには曖昧な微妙なニュアンスがあり、それが障壁となる部分もありながら、それが形成した文化というのはアルファベットには置き換えられない部分があるのではないか?とも思いました。

繰り返しになりますが、めっちゃオススメです。

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