表面上の関わりは誠意がない
対人関係は得意だろうか。
胸を張って「大の得意です!」という人はそう多くないだろう。
色々なケースがあって一概には言えないというのもあるが、人との関わりはなかなかに難しい。
そんな中で、「表面はうまくやれるよ」と自負する人に出会った。自信があるようだった。
表面だけの対人スキル
「表面はうまくやれる」
これはどういうことだろう。
つまり、内心どう思っているかにかかわらず、コミュニケーションをうまくとれているように見せかけるのが得意ということだ。
円滑な会話だったり、理解を示すのが得意だということだろう。
相手に不快な思いをさせないというのは非常に大切だ。
「うまく話せなくて困る」
「どう反応していいかわからない」
そう言う人は多いから、表面だけでもうまくやれるなら、たしかにスキルと言っていいのかもしれない。
対人スキルの本質
しかし、表面だけでない対人スキルがある人というのは、内心と言動が一致しているものである。
楽しかったら楽しいと気持ちを共有し、困ることは素直に相手に伝えることができるスキル。
マイナス面を相手に伝えるのが下手な人が時々目立っているように思う。
「ここがこんな風に悪い。こうした方がいいよ。」など率直に論理的に話してしまって、人間味を伝えられないのだ。
これは、相手を思いやっている気持ちが伝えきれていないから起こる。
その結論と伝えるに至った経緯まで含めて話したり、相手への配慮の気持ちまで含めて伝えることができれば、そこで初めて意図が伝わるのである。
表面だけの対人スキルがあるという人は、このような配慮の部分を、思ってもないのに口にできる人たちだ。
本当に対人スキルがある人は、人との関わりを素直を楽しむ。
人との関わりを大切にする
表面だけの人たちは、自分のためにその対人スキルを使っている。
もちろん相手を不快にさせないのは大切だけれど、思ってもいない耳障りのいい言葉をペラペラ話す様は、どうみても悪役である。
考えていることは他人からは読めないし、相手の眼に映る姿がすべてなのは事実。
それでも、内心と行動を一致させて行動するのが、誠意というものだろう。
「表面だけはうまくやれる」というのは、対人関係が下手ということだと思っている。
誠意をもって接することで初めて、本当の他者との関わりが生まれるはずだ。