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第3回/映画『LORDS OF CHAOS 』鑑賞

BLACK METALの黎明期に起きたメタルバンドを中心とした物語、映画『LORDS OF CHAOS』<ブーストサウンド>を観に行ってきました。

LORDS OF CHAOS(現実は狂気をはるかにこえていた―。ブラック・メタルの王は、俺だ。想像を絶する真実と妄想に基づく狂気に満ちた物語) 』
<ブーストサウンド>上映+Blu-ray&DVD発売記念† 川嶋未来(SIGH)✖︎増田勇一(ライター)トークイベント付き

実は都合3回目、同じ映画の劇場鑑賞は私の人生史上初になりました。普通なら何で同じ内容の映画を3度も見に行くのか?というくらい、ありえない事ですが、これは何度も見ても面白い。でも心の中が寂しいというか、しんみりしてしまいつつも、宿命、因果応報、輪廻など色々な言葉が頭をよぎり、グルグルして、最後まで明確でないまま、楽しかったなーと帰路につく映画でした。

確かにこの映画では過激な描写が多いですが、どこかカルトムービー的なこだわりも感じます。BLACK METALのクールでお洒落、かつ硬派で、何人たりとも寄せ付けない崇高な集団というイメージなど、現代社会とかけ離れた空間に見に来た人達を投影する気もしました。

類似映画としてQueen『ボヘミアン・ラプソディ』、北欧メタル映画『ヘヴィ・トリップ』、Anvil『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』、少々狂信的・退廃的な意味合いでの『ロッキー・ホラー・ショー』などにも通じる印象もあります。

1回目は4月8日、Deadの命日で、トークショウもありました。この時は映画中の音楽についての内容が多く、ちょうど『ヘドバン Vol.29 (シンコー・ミュージックMOOK) 』と『ロード・オブ・カオス 復刊 ブラック・メタルの血塗られた歴史』の発売があったこともあり、Mayhem以外のBLACK METALのバンドにも言及がありました。

当初は映画に行くことを考えていましたが、興行成績が良かったこと、当時の2つの事件の内容を記憶していたこと、BLACK METALであったことから気になりつつも、出遅れた感じでの鑑賞が始まりました。

今回のトークショウでは、最近のBALCK METAL事情の話などもありました。BLACK METALは一般的な洋楽フェス、一般的な音楽の話題でも、多くのバンドが取り上げられています。記事を読みながら、バンド名を目にし、Googleで調べることもなく、ごく普通に違和感なく「BLACK METAL」というワードは読めるのです。いや待て、私は本当にBLACK METALって何だったか?となると、この映画を観ないわけはないのです。

こうして3度目の鑑賞なりました。

即売会では、映画館で販売されていたTシャツ、シネマート限定Tシャツ、パンフの他、Blu-ray&DVD、グッズなどでした。グッズはTシャツ、パーカー、バッジ、タオル、レコード型のコースター、カセット型カードケースなど、メタルキッズにはマストなアイテムでした。(Buy Or Dieというべきかな?)

そして祭りの延長として、10月5日から〜24日まで、渋谷のdiskunion ROCK in TOKYOで映画『LORDS OF CHAOS』ポップアップショップが開店です。Rory CulkinEuronymousの顔で埋め尽くされています。Mayhemのグッズもあります。


さて、私はこの数ヶ月の間にいろいろ調べましたが、SNSには当時のMayhemメンバーと交流のあったノルウェーの方達がいまして、そこでは色々な情報交換がされていました。

例えば、 DeadがスェーデンのNapalm DeathのTシャツを着ていましたが、EuronymousNapalm Deathが好きではなかったという話も目にしました。前回では気づかなったことですが、今回ではEuronymousが「ノルウェー人のブラックメタル!」と豪語している場面がありました。その時の話のEuronymousの隣に腕をカットし、蒼ざめた表情のDeadがいるのです。スウェーデンの音楽を否定しているエピソードの裏付けになっているようにも見え、その場面でのDeadが映画なのに非常に可哀想に思えました。

また、Deadは列車ではなく飛行機でやってきたと説もあったのですが、気になったのは、この情報源はノルウェーの人達ばかりで、スウェーデン人がDeadの情報を発信しているのはあまり見ません。

その中でノルウェーでは国営放送でMayhemのドキュメンタリーを2020年に4話のシリーズで放映されています。(ノルウェー国内でしか閲覧できません)

フランス語っぽい印象ですが、北欧の人は語学に堪能だなと思う印象です。(日本語が特殊ですけど)

このTVシリーズはEuronymousの存命時代のノルウェーのBALCK MATELシーンを、音楽関係者、メンバー、Deadの家族の証言などで構成されています。最終話では教会放火事件、Euronymousに突撃インタビュー的な当時の生々しい場面も見れます。Euronymousはドアを少し開いて対応していますが、この時、少し彼の顔も写りますこの時のEuronymousは「Vargのやつ!」と思っている頃でしょうか。


トークショウでは映画『LORDS OF CHAOS』の成功で、監督のJonas Akerlund(ジョナス・アカーランド)は、まだ全て紹介し切れていない、幾つものエピソードもあるそうで、映画の続編は難しいけれど、TVシリーズを念頭にし、製作をしてみたいとの話もあるそうです。

映画『LORDS OF CHAOS』は細かい描写が見受けられるものの、物語は要約されているという印象はあります。ダイジェスト版にも思えるDeadの話、その後のMayhemの活動、インナーサークルなど、まだ謎が多く、そしてまだ続きを観てみたい気もあります。


まとめ

映画『LORDS OF CHAOS』は、1つの映画を色々な側面で見れるような作品だと思います。時に音楽でなく、また悪魔崇拝なのに、オーディン:北欧神話が出て来たり、ナチスの旗だけ出てきたり(それはVargだけ?)、アレイスター・クロウリーのポスターがあったり、宣伝のための破壊工作など、邪悪と疑問の坩堝です。シリアスで風変わりに見える無邪気な悪のDead、才能はあるが暴君で激昂し攻撃的な悪のVarg、そしてBALCK MATELの王のEuronymous。

BALCK MATELとは何だったのかは、3度目の『LORDS OF CHAOS』で観賞会は終了します。


次回はBALCK MATELの話(調べているので)か、洋楽などの予定にします。ご清聴ありがとうございました。




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