見出し画像

⑸自分の小さな「箱」から脱出する方法【要約】

画像1

なぜ自分ばかりが責められるのか?

「箱の中にいる人の心の内側、でどういうことが起こっているのかを見てきた。だが、もうわかったと思うが、こちらが箱に入っている場合、その箱は相手にも影響を及ぼす。つまり、私は箱の中に入っている。こんなふうに箱の中に入っている時、、私は何をしかけているんだろう。

「相手を責めるんじゃありませんか?」

そうなんだ。箱の中にいる私は、相手を責める

「さて私の周囲の人たちは、『やあ、今日の俺ときたら、怒られて当然というものだ。誰か怒ってくれないかな』とそう思いながら、暮らしているんだろうか」

「それはないでしょう」

「『そりゃ私は完璧とは言えないさ。でも、 いろいろ考え合わせれば、ちゃんと人並みにやってるだろ』とね。 それに、大概の人間は自己正当化イメージを持ち歩いていて、攻撃されたらすぐさま自己正当化イメージを守ろうと、初めから防御の構えに入っている。じゃぁ、箱の中にいる私が相手を攻めたとき、相手はどう出るだろう?

責められれば、すぎに箱の中に入るでしょうね

「その通り」

私は相手を責めることで、相手が箱に入るように仕向ける。一方相手は、自分のことを不当に責めていると言って、私を責める。ところが私は箱に入っているものだから、自分が相手を責めるのは当然だと思っている。そして、こっちを責めるなんてお門違いだと感じ、さらに相手を責める。相手も既に箱の中に入っているから、責められて当然なのは 私であって、そのことで自分が責められなんてとんでもないと感じ、さらに私を責めるといった具合だ。つまり私は自分が箱の中に入ることで、相手が箱に入るように仕向け、相手もまた、箱に入ることで、私が箱の中に留まり続けるように仕向けると言うわけだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6「自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中に入れてしまう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

感想:

箱の中にいることは、つまり『自分が正当化されることを望む行為』である。厄介なのは、自分が正当化されることを望むと、周りが見えなくなり、他人を箱に入れる結果となる。その結果、お互いに責めあう。

「 箱の外にいると、自分がひどい目にあってもまるで特にならない。そんな必要はないんだ。それに、普通、相手のためにわざわざひどい目にあったりもしない。ところが箱の中に入ると、自分がひどい目に遭った時にこそ、最も必要としていたもの、つまり自己正当化の材料手に入れることができる。相手は嫌な奴だった、自分がせめて当然のやつだった、と言う証拠が得られるんだ。」

「しかし、 箱の中に入れば問題が解決する、というわけじゃない。それどころか、問題を憎む。箱の中に入る時には、箱から出ることが1番の望みのように思える。でも箱の中に入ると自分を裏切ってしまう。自分や周りの人たちを、ありのままに見ることができなくなる。そして、望む結果を得ようと言う自分の努力を、箱そのものが蝕んでいるということすら、見えなくなってしまう。」

「 そして箱そのものと言えば、ひどい仕打ちを受けたことで得られる自己正当化を栄養にして、生き延びていく。つまり、箱の中に入ると、なんとも皮肉なことになるんだ。誰かにひどい仕打ちをされたとぼやいたら、おかげでとんでもない迷惑を被ったと嘆きながら、一方でその仕打ちを妙に心地よく感じているんだな。 ほらみろ、あいつは責められて当然の人間なんだ。私は全く悪くない、とね。ぼやきの原因となっている行動そのものが、自分を正当化してくれるんだ。」

「 だから箱の中に入りさえすれば、自分が嫌がっている行動を引き起こすことができる。そして相手もこちらに、自分が嫌がっている行動させるというわけだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
7「箱の中にいると、互いに相手を酷く扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与えあう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「 言い方を変えれば、自分の箱のせいで、他の人たちに問題を引き起こさせる。そうやって、自分には問題がないと言う証拠を手に入れる



感想

正当化とは、自分には問題がないという証拠を手に入れる行為である。自分を正当化すると、周りの一切が見えなくなり自己中心的な考えとなる。そして、相手にも正当化させるきっかけを与えてしまう。お互いに箱の中に入る。これは、必ず直さなければいけない。常に意識しないといけない。油断するとすぐに箱の中に入ってしまうから。これを克服すれば、人間関係のほとんどの問題を解決したのも同じと言える。


箱の中に入ると、自分に目を向けるだけで手一杯になってしまって、結果に気持ちを集中させられなくなる。これまで君が仕事の中で出会ってきた人々、一心に成果を上げようとしているように見えていた人々も、実はそうじゃなかった。彼らが成果を重視するのは、自分が優秀だと言う評判をえたり、その評判を維持したいからと言うことが多い。 何故かと言うと、そういう人たちは、他人の成果を自分の成果に比べて軽く扱う。大概の人は、会社の誰かが成功しても、自分自身が成功したときのようには喜ばない。それどころか、 他の人を踏みにじってても、成果を上げようとする。そうやって悪影響を及ぼすんだ。成果を出すよう懸命に努力せよと部下にハッパをかけるかもしれない。でもそんなのは嘘だ。 その人もみんなと同じように箱の中に入っていて、自分自身にしか関心がない、そしてみんなと同じように、そのことが見えていないんだ

「 箱の中に 入っている人は、相手を箱の中に入れようとするでしょう?例えば『情報を隠すものだから、他の人にすれば、自分も同じように情報を隠してもいいんだ』ということになる。

感想:

相手がやってるんだから、自分もやっていいんだと思う心理が人間にはある。良いことも悪いことも。だから、包み隠さず全て話してあげれば、相手も話してくれる。包み隠さず好意を示せば、好意を返してくれる。嫌味を言えば嫌味を言ってくる。返報性の原理である。行為というのは、表面上の行動ではなく、本質的な行為である。もし、好かれるために表面上行動をしても、うまくいかない。



箱の外に出る方法
『人として、相手と接する、【相手のために何かをしてあげたいと思った時】、箱の外に出ることができる』

「 私が、自分の妻や息子や同僚たちに対して何と言うことをしてしまったんだろうと悔やんでいた時、私にとって、みんなは何だったんだろう。その瞬間、私にとってみんなは、物だったんだろうか、それとも人間だったんだろうか

「その瞬間は人間だったでしょうね」

「 そうなんだ。人間だった。私は相手を責めたり恨んだりすることをやめて、相手に関心を持とうとした。相手のあるがままの姿を見て、実際よりも劣った存在として扱ってきたことを、後悔していた。したがってその瞬間、私はどこに行ったことになる?

箱の外、ですね」

「 まさにその通り。箱の外に出たいと思ったその時、私はすでに箱から出ていた。相手の為に何かをしたいと思うことが、すなわち箱の外に出ることでもあるんだ。

「いいかい『どうすれば箱の外に出られるのか』という質問は、実は2つに分けることができる。まず第一に、『どうすれば箱の外に出られるか』ということだ。次に『どうすれば、一度出た箱の外にい続けられるのか』ということだ。君が気にしているのは、実は2番目の点なんじゃないかな。どうやったら箱の外に居続けられるか。ここでもう一度強調しておきたいんだが、 誰かに対して箱の外に出たいと思ったその瞬間、君はもう箱の外に出ている。なぜなら、 相手を人間として見ていればこそ、外に出たいと感じることができるんであって、人間に対してそういう感情をいただけると言う事は、すでに箱の外に出ているということなんだ。だから、物事をありのままに見たり感じたりして、他の人に対してはこの外に出たいと思った瞬間、その時点で問題になっているのは『 この人たちに対して箱の外に出たままでいるためには、どうすれば良いのか。今のような感じを持ち続けるにはどうすればいいのか』ということだ。職場の場合には、実際に、一旦箱から出てそのまま箱の外に居続けるためのごく具体的な方法が、いくつかある

箱の中にいる時に、しても無駄なこと
①『相手を変えようとしてもうまくいかない』
②『相手と全力で張り合うこと』
③その状況から離れること
④箱の中にいるままでコミュニケーションをとる
⑤テクニックを使おうとすること
⑥箱の中にいるのに、みてくれの行動を変えること

「 さて、箱の中に入るときには、どんなことをしようとするだろう。例えば箱の中に入るときには、問題は、誰にあると思っているんだろう?

問題は、他の人たちにあると思っているはずです

箱の中に入ったまま(相手のために何かをしてあげたい)という気持ちがないまま、相手を変えようとしたとして、相手を本当に自分の望む方向に変えることができるだろうか?

いいえ、正反対に動かすことになるでしょうね

「だから、相手を変えようとしてもうまくいかない

また、現実逃避して、その状況から離れるんだ。離れて仕舞えば、うまくいくだろうか?箱の外に出られるだろうか?

「自分が箱の中にいる場合、本当はどこに問題があるんだろう?

自分自身にあります」

そうだ。となると、私がその状況から離れたとして、私は何を抱えていくことになるんだろう?

問題を、抱えていくことになる

「 その通り。箱の中にいる場合、その状況から離れると言うのは、相手を責める別の方法にしか過ぎないんだ。自分は箱の中に入ったままで、相変わらず、偽りの感情がついてもある。場合によっては、離れることも正しいかもしれない。しかし仮にその状況から離れることが正しいことだとしても、それだけでは充分じゃない。なぜなら、 最終的に、私は箱から離れなくてはならないんだからね。」

箱の中に入ったまま、コミュニケーションをとると、相手を箱の中に入れてしまう。つまり相手を責めることになる。確かにノウハウをちょっとばかり身に付けて、コミニケーション能力を高める事は可能だ。しかし、そういったノウハウで、相手を責める気持ちを隠し通せると思うかい?

「いいえ、それは無理でしょう」

「私もそう思う。箱の中にいると、コミュニケーションが上手であろうとなかろうと、こちらに箱があることが、相手に伝わってしまう。そこが問題なんだ。

「 奥さんを寝かしておくために自分が起きようとするが、やめてしまった。はじめのうちは、奥さんのために何かをしてあげなくてはと感じていたが、その感情に抵抗した。 こうして自分の感情に逆らったことによって、バトの関心は自分自身に移り、 奥さんのことを、手助けするに値しない人間だとみなすようになった。つまりバドの箱は、自分の感情に積極的に保つことになってバド自身が作り出し、維持しているものなんだ。 だからこそ、さっきバドが言っていたように、自分をなんとかすることで箱の外に出ようとしても、無駄なんだ。箱の中にいるときに考えたり感じたりする。全て箱によるまやかしに過ぎないんだからね。本当は、箱の外にあるものに抵抗するのをやめた瞬間、相手に逆らうのをやめた瞬間に、自分が変わり始めるんだ。ここまでは、いいだろうか?」



感想:

相手のために何かをしてあげたいと思った時、
相手に逆らうのをやめた瞬間、
・反発しなくなる
・怒りが湧かなくなる
・悲しくならない
・不安にならない
・嫌な気持ちにならない
・負担に思わない
・マイナス思考にならない
・ムカムカしない
つまり、箱の外に出られる。

知っておくべきこと
・自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、全て箱の外に出ているか否かにかかっている。
・他の人々に抵抗するのをやめた時、箱の外に出ることができる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?