狩をする猫

昨年まで実家で猫を飼っていた。
(17歳で他界)

実際には飼っていたと言うより、
一緒に住んでお世話させていただいていた、と言う方が正しい。
家族全員が彼(猫)の召使と化していて、
とても大切の育てられていた。

夕食に刺身などが出ると食べたがるのだが、
一切れそのまま出してあげても口を付けない。
刺身を眼の前にしつつも、
人間の顔を見て「にゃん」と言うのだ。

そこで家族が5mm以下の大きさに小さくほぐしてやると、
自分のもの!と言う感じでバクバクと食べ始めるのだ。

実家の家は古く、何かしらの虫が家の中に侵入してくることは
日常的なことだった。

しかし、蟻が一匹でもつくと口を付けなくなる。
取り除いてもダメ。
ご飯に匂いがついてしまうのだろう。
ゴキブリが出ても、ニャーニャー騒いで人に知らせるだけで、
必要以上に近づくことはなかった。

にも関わらず、何故か蜘蛛に対しては違った。
死に絶えるまでオモチャにして遊ぶ。
時には食べてしまう。

ある時など、可愛い口から巨大な家蜘蛛の足が、
チロリと出ていて、こちらを錯乱させることもあった。

とは言え、家から出さずに育てたため、
野生の本能的なものはあまり現れなかった方だと思う。

親戚の家でも猫を飼っていたが、
そちらの猫はうちの猫とは全く違った性格を持っていた。
自然豊かな場所に家がある上、
自由に外に出られるようにしていたため、
ヤマネコと言っても良いくらい野生の本能全開で生きていた。

どこぞで狩をし、
鳥やカエルやヘビを玄関先に置いてくことこは日常的だったそうだ。

その話を、職場で一緒に働いているDTPオペレーターさんに話たら、
大きく頷いていた。

彼女の実家もかなりの田舎にあるそうだ。
子供の頃から常に猫が家におり、
こちらでもほぼ放し飼い。
やはり獲物を主人に見せに来ることがあったそう。

そして、こんな話もしていた。

ある日の夕方、庭で猫がジャンプしていたらしい。
真上にジャンプし着地する。
それを何度も繰り返している。
何をしているのかな?と思いつつも気にせずにいると、
その後、玄関でコウモリをバリバリ食べていたそうだ。

空を飛ぶコウモリをキャッチするとは!

すごい!すごいぞ!にゃんこ!

でも、

コウモリをバリバリにはドン引きした。

あまり想像したくない絵面だ。
それは、私の知っている可愛いにゃんことは違うのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?