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初めてのシングルモルト「山崎」

今回は"初めてのシングルモルト「山崎」"ということで、ジャパニーズウイスキーの代表的ブランドである山崎を「名前は知っているけど、飲んだことがないから一度ゆっくり飲んでみたい!」という方や「店舗で見かけても変に高額販売されているから手が出せないけど、正規の価格なら買ってみたい!!」という方に向けて、山崎ブランドの魅力と購入の手引きを解説したいと思います。

シングルモルトウイスキー「山崎」(やまざき)は、大阪府三島郡島本町に建てられた山崎蒸溜所という国内最古の蒸溜所が製造している単一蒸溜所製造のシングルモルトウイスキーの名称で、1984年に初代が発売され、当初は年数表記の無い「ピュアモルトウイスキー山崎」という名前で市場に投入されました。

「山崎」ブランドは日本のウイスキーブランドの中でも特に認知度と人気は高く、蒸溜所限定販売品やプライベートブランド扱いの製品など、公式ラインナップ外の「山崎」も多数存在し、現在そのどれもが例外なく人気で、品薄状態となっています。

シングルモルトウイスキー「山崎」ブランドの特徴は複数の蒸溜機で作り分けられた原酒にミズナラ、シェリー、バーボン、パンチョン等、ウイスキー貯蔵樽の多種多様な造り分けの習熟度の深さにあります。

現在、一般的によく知られている年数表記の無い「シングルモルトウイスキー山崎」はハイボールブームの折、それまでのエントリーモデルとして好評を博していた山崎10年のフェードアウトから引き継ぐ形で2012年より発売されたもので、その年数表記の無い山崎ノンエイジタイプを筆頭に上位グレードの山崎12年と山崎18年に山崎25年が現在のレギュラーラインナップとなっています。
限定販売品や上位グレードは入手困難ということで軒並みプレミアム化してしまっていて、半ば永続的に入手困難な状態が続いている点は、現在の山崎ブランドが抱える大きな問題点といえるでしょう。

今回は入手困難な限定販売品や上位グレードに焦点をあてるのではなく、あくまでも「初めての山崎」ということで、一般的によく知られている年数表記の無い「シングルモルトウイスキー山崎」に絞って紹介していきたいと思います。

「シングルモルトウイスキー山崎[ノンエイジタイプ]」は、2012年5月29日に発売された商品で、従前から販売されていた「山崎10年」との差別化の意味合いも含め、発売当時の通称は「(新)山崎」と呼ばれていました。
アルコール度数は43度、山崎ブランドとしては14年ぶりに加えられた新規製品で、年数表記の無い所謂"ノンエイジ"商品に該当します。
山崎蒸溜所の個性豊かなモルト原酒のみを使用した「シングルモルトウイスキー山崎[ノンエイジタイプ]」には、新たな試みとして「ワイン樽貯蔵モルト」を使用し、「山崎」を語る上で欠かすことのできない「ミズナラ樽貯蔵モルト」など複数の原酒がヴァッティングされ、絶妙なバランス感覚で製造されています。

現在、山崎ブランドの基本となる「シングルモルトウイスキー山崎[ノンエイジタイプ]」のラインナップは700mlボトルと180mlボトルの2種類で展開されています。
2022年4月1日㈮より価格改定が行われ、メーカー希望小売価格は700mlボトルが消費税込み"4950円"で、180mlボトルが"1375円"となっています。

しかしながら、このシングルモルトウイスキー山崎[ノンエイジタイプ]ですらも「どこにも(メーカー希望小売価格で)売っていない!」というのが、国内のウイスキー愛好家の本音であり、苦悩している点だと思います。

当然、ウイスキーに興味や関心があり「山崎」という名前は知っていても「飲んだことが無い!!」という人は多いかと思います。
その理由として「プレ値で手が出ない!」「(バーや居酒屋などで)割高感があるから注文したことがない!!」などが、大きな原因だと考えられます。
とにかく適正価格(メーカー希望小売価格)で山崎が飲みたい!飲んでみたい!!
プレ値なんか出したくない!と、言う方は非常に多い
でしょう。

そこで、2022年現在においてシングルモルトウイスキー山崎[ノンエイジタイプ]に限っての話ではありますが、最もメーカー希望小売価格で入手が容易な方法を1つだけ紹介したいと思います。

それは2022年4月現在メーカー希望小売価格が消費税込み"1375円"の180mlボトル、所謂「ベビーボトルに絞って探す」ということです。
では、どこに売っていて簡単に買える場所とはどこなのか!?
実は誰もが利用したことがある場所で適正価格での購入が可能です。

その場所は、ズバリ「コンビニ」です!

一般的に内容量が700mlもあり価格面においても高額になりがちなフルボトルに比べ、お試し商品としての意味合いが強い180mlサイズのベビーボトルは特殊性が強く、一般的な酒販店であるスーパーや酒屋での販売をメインに拡販されず、限定的ではありますがコンビニエンスストア業態をメインに商品投下が継続的に行われています。
その理由としてベビーボトルのお手軽な180mlというサイズ感が、コンビニエンスストアを利用している多くの消費者のニーズの中核要素である「迅速性」と「多様性」に非常にマッチしていて、かつ親和性も高く、コンビニエンスストアに展開する商品に対する認知度の向上に繋がる側面があるからだと考えられます。
そして何よりコンビニエンスストア業態の「価格に対する堅持性の高さ」が特筆すべき点と言えるでしょう。
最近ではディスカウント・激安を標榜する酒販店ですらジャパニーズウイスキーにプレミアム性を付加した価格、所謂「プレ値」を乗せて販売している転売ヤーの様な店舗が数多くありますが、コンビニ業界においては商慣習として(一部の例外こそありますが)個店での無断での価格操作を基本的に認めておらず、手前勝手な価格操作はご法度となっています。
実はコンビニエンスストアという業態は、スーパーマーケットや酒販店などと異なり、価格に対する堅持性が特に強いため、値下げなど価格サービス面においては融通が利かない反面"プレ値"を乗せて販売している転売ヤーの様な販売をしている酒販店と違い、メーカー希望小売価格での購入が大前提となっています。
したがって(相当にクセのあるオーナーが経営しているコンビニ加盟店舗を除き)コンビニ業界では価格に対する健全性が担保されているので、たとえ人気の銘柄「山崎」であったとしても、一般的な適正価格の消費税込みメーカー希望小売価格の"1375円"で購入が可能となっています。

2022年現在では年に2~3回の頻度で、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートの大手3社を中心に、各チェーンごとに少しづつ納品時期をずらしてスポット的に一括納品が行われています。
(概ね、2週間~1ヵ月程度の納品時期の調整が図られているようです。)
事前に各コンビニチェーンの入荷時期などを確認しておけば、あくまでも180mlサイズに限ってではありますが、どこにでもある近くのコンビニで適正価格の「山崎」を購入することは可能です。
特に大手3社(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート)で、年に各3回ずつ納品があるだけでも、9回のチャンスがあることになります。
ですから、あくまでも転売目的ではなく単に「山崎」の味わいを堪能するだけであれば、フルボトルである必要性は皆無であり、700mlのフルボトルに拘らずとも、180mlのベビーボトルを4本入手すれば、180ml×4本=720mlとなり、フルボトルとほぼ同量の山崎の入手が可能です。
価格においても700mlのフルボトルが消費税込みで4950円に対し、180mlボトルの消費税込み1375円を4本で、1375×4=5500円となり、そこまで大きな差はありません。
なお、単純計算すると山崎1mlあたりの単価は以下の通りとなります。

700ml:(フルボトル1本あたり)4950円÷700=1ml当たりの価格は7.07円
720ml:(ベビーボトル4本分)5500円÷720=1ml当たりの価格は7.63円

どうでしょうか?未だに適正価格で容易に手に入らない状況が続いているフルボトルの「山崎」。
入手困難だからといって、安易にプレ値を支払って転売ヤーや悪徳酒販店に高額な利ザヤを支払う位なら、店頭小売価格に対する堅持性が強いコンビニエンスストアで、フルボトルとほぼ変わらない価格差の「山崎」を正規価格で入手する方が健全と言えるでしょう。
お試しサイズの180mlボトルではあるものの、山崎ブランドの味わいや方向性など、山崎の持つ魅力を確認する分には何の問題もありません。

お酒はフィギュアなどの造形物と違い、飾るものではなく、あくまでも飲むための嗜好品として製造されています。
近年加速度的に増加した「投機対象として山崎というブランドを見ている人たち」の多くは、そもそもウイスキーに対する興味など皆無で、単に利ザヤを稼ぐためのアイテムの一つとして「山崎」ブランドを利用しているに過ぎません。
転売を筆頭とする投機行為は「山崎」を飲んで感じたい人々にとっては実にありがたくない存在であることは今も変わっていません。

本当にウイスキーが好きで、山崎が飲みたい!飲んでみたい!!という方。
限られた門戸ではありますが、コンビニエンスストアでその魅力に触れてみて下さい。
山崎蒸溜所の個性豊かなモルト原酒のみを使用した「シングルモルトウイスキー山崎」が貴方を楽しませてくれることと思います。

最後になりますが「酒は飲むもの!」
皆様、良いウイスキーライフをお過ごしください!!