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ハイボールとは何ぞや!?

一般的に「ハイボール」(Highball) とはウイスキーをソーダで割ったカクテルの名称です。

日本では「お酒のソーダ割り」として定着しているハイボールの名称。
実はハイボールには明確な定義がなく、他のお酒のソーダ割りもハイボールと呼ぶことができます。
近年の広義的な解釈ではスピリッツ、リキュールをソーダ割りだけでなく、コーラやジンジャーエール、他にもトニックウォーターなど、割りものがアルコールの含まれていない炭酸飲料で割ったものであれば、ハイボールと呼ぶことができます。
なお、日本ではより広義的解釈がされており、焼酎やウォッカなどをベースとしたカクテルを焼酎ハイボール(チューハイ)と呼び、人気を博しています。

勿論、「ハイボール」が誕生した際のレシピがウイスキーをソーダ水で割ったもの(ウイスキー・ソーダ)であり、「ハイボール=ウイスキーのソーダ割り」という解釈が一般的です。

では、何故ウイスキーをソーダ水で割ったもの(ウイスキー・ソーダ)を「ハイボール」と呼ぶ様になったのでしょうか?
「ハイボール」の語源については諸説ありますが、代表的なものは以下の通りです。

1つ目は、開拓時代のアメリカにおいて、蒸気機関車による長距離移動の時に、途中で水の補給のための停車の際、棒の先にボールをつけたものを掲げて合図した。
その時にバーボンのソーダ割りのサービスがあったから、という説。

2つ目は、同じくアメリカの鉄道で、ボールが上がっていれば進行 (go)、上がっていなければ停止 (don't go) というボール信号を駅員が望遠鏡で見ながらバーボンをチビチビやっている時にボールが上がったら(ボールがハイになったら)列車が来る合図ということで、ボールが上がっているのを見た駅員がバーボンにソーダ水を入れて一気に飲み干して駅に行ったことから、という説。

3つ目も同じくアメリカ鉄道の話で、鉄道の信号係にウイスキーのソーダ割りが大好物な人物がいて、飲むたびに「ハイ・ボール!」と言っていたという逸話から、この名がついたという説。

4つ目は、スコットランドのとあるゴルフ場にあるクラブハウスのバーカウンターで、当時は珍しかったウイスキーのソーダ割りを試していた英国紳士の所に、たまたま打ち損じたハイ・ボール(高く打ち上げられたゴルフボール)が飛び込んできた。
ボールが飛び込んできたタイミングでウイスキーのソーダ割りを飲んでいた英国紳士が「これは何という飲み物か?」とマスターに聞いたところ、カウンターに居たマスターが「High ball!!」(高い球)と叫んだから、という説。

5つ目は「丈の高い(HIGH)容器(BOWL)」にウイスキーを注いだ飲みものだからという説。
スコッチウイスキー「デュワーズ」を世界に広めたトミー・デュワーが友人とスコッチを楽しもう(楽しむ=have a ball)とサロンへ行った。そこで出されたグラスが小さかったので、トミー・デュワーがウェイターに発した言葉が「もっと背の高いグラスにしてくれないか?そうすればもっと楽しめる(high ball)」と。
その瞬間スコッチハイボールが誕生した、という説。

他にも炭酸の泡(玉)が上に揚がっていく様から、列車のボール信号と掛けて、早く飲み干し、出来上がる、出掛ける、といった説や、炭酸の泡(玉=ボール)が上に揚がっていく様を見てハイ・ボールと呼んだという説。
「高めの直球(HIGH BALL)」は、打ちごろ(=飲みごろで、美味しい)の絶好球という説に「気分がHIGHになる弾丸(BALL)」という説など諸説様々あるが、アメリカのバーテンダー養成学校では、「ボール信号機」説が語源だと教えているそうです。
日本ではサントリーが「イギリスのゴルフ場」説を推しています。

続いて「海外と日本のハイボールの違い」について述べたいと思います。
「実は海外ではウイスキーをハイボール(ソーダ割り)で飲む文化はあまりなく、海外ではウイスキーをストレ-トかロックで飲むことが一般的です。
例えばイギリスでは完成されたウイスキーはそのまま飲むのがベストな飲み方で、それをカクテル(ハイボール)で飲むのはあり得ないという考え方の様です。

日本ではメジャーな飲み方であるハイボールも、海外ではあまり知られていないようで、「日本のハイボール」は「日本ならではの嗜み方」と言えるかもしれません。
ちなみに海外で漠然と「ハイボール下さい!」と頼んでも「ウイスキーのソーダ割り」は容易にオーダーできないそうです。
あくまでも「ハイボール」はカクテルの一種のため、「何を使ったどんなハイボールを作って下さい」と、具体的なオーダーしなければいけないそうです。
確かに世界各国、地域によって気候や風土、文化も違うわけですから、お酒の呼び方や飲み方も違うのは至極当たり前です。

最後に一般的な「ハイボール」の作り方を書き記しておきます。
先ず、グラスに氷を一杯に入れ、ウイスキーを適量注ぎます。
次にグラスに入っている氷とウイスキーをマドラーで混ぜて馴染ませます。
馴染ませた後、減った分の氷を追加し、ソーダを加えます。
(ウイスキー1:ソーダ3~4)
最後にマドラーなどでタテに1回軽く混ぜて完成です。
(炭酸の抜けを防ぐために混ぜ過ぎないことがポイントです。)