カクヨムアプリ落ちた
飛行機趣味の話を書いてる最中に落ちるとは何事か。下書きをnoteに書くなり。
ある作品を読んで魂が目覚めたのである。
恐らく、この令和の時代に生きる普通の若者は知らないと思うが、ヒコーキ趣味というのはやたら裾野が広く深い深ーい沼である。足を踏み入れると高確率でカッパになる深遠なる世界の話を、少し紹介しよう。
1.紙飛行機
普通紙ヒコーキなんて言うと、コピー用紙や折り紙でこさえた滑空するグライダーを思い浮かべるであろうが、世の中にはケント紙切って貼り合わせ、翼をゲージに沿って曲げてきちんと揚力を持たせた「競技用紙飛行機」と言うものが存在する。
このおじさん、競技用紙飛行機界の権威であり工学博士の「二宮康明」氏である。
まず、普通の生活をしていると紙飛行機に協会があるなんてことは信じられないであろう。日本紙飛行機協会は実在するし、ほぼ毎年日本選手権が開かれておる。
私は中学時代に模型部に所属してクラブ活動としてガンプラ作ったりしてたのだが、顧問の小関師により模型部の伝統として代々必修になっていたのがこの「競技用紙飛行機作成」であった。
アホみたいに良く飛ぶ。
余りによく飛び風に弱いから体育館とかで飛ばし、壁にぶつからん様に旋回飛行する様に調整するのだが……大変よく飛び滞空時間凄え長い(個人差があります)
2.竹ヒゴ飛行機
びっくりするかも知らんが、昭和16年から竹ヒゴ飛行機は学校教育に正式に組み込まれ、日本に一千万のヒコー少年を生み出した。いやガチで。だから今70〜80代ぐらいの人間をコアにして、結構幅広い範囲で竹ヒゴゴム動力ヒコーキ愛好家が存在する。
これな。
前から見た形で、A型などと呼ばれている。今でこそプラパーツを利用しているが、昔は朴材からプロペラ削り出してたらしい。近年の販売キットでは翼の骨組みである竹ヒゴは既に曲げられた状態でキット化されているが、蝋燭の火で炙って曲げたりもしていた。竹ヒゴの接続に使うのはニューム管と呼ばれた「アルミニュームの管」である。
その筋の分類としては、ライトプレーンと呼ばれるものになる。これより軽い総重量数gとかの機体(あまりに軽いので風の影響がデカいから室内で飛ばす)はウルトラライトプレーンとかインドアプレーンなどという。
3.羽ばたき飛行機
かっちょ良く言うとオーニソプター。実は初期の飛行機はこちらの鳥の飛び方真似たものが主流だった。ダビンチさんもこっちで設計しとるね。
結局、羽ばたいて空飛ぶにはメタクソ軽くて丈夫な骨格と、パワーウェイトレシオに優れた動力が必要であり、羽ばたいて「揚力」と「推力」を得るのではなく、固定翼で揚力を、プロペラなどで推力を得る方式の方が実用化しやすかった。故に今主流の飛行機は羽ばたかない。が、模型サイズなら軽さとパワーが「比率として」大きく出来るので、実際空飛ぶ模型はある。
何も航空工学や力学的な視点から飛ぶ様に設計されており、物理の神の定めたその法則に従って飛ぶ。上反角や翼の形状をしっかりゲージで整えて飛ぶ。話のわかるやつだ。
で、ここからだ! これまでは前説だっ!
先のつきの氏のお話で、羽ばたき飛行機が風に乗って飛んでく描写があるやんけ? 実は、ヒコーキは後ろから強い風受けると揚力発生しないから飛ばんのだ。(前後逆にヒコーキ飛ばすようなもんだ)
飛行機は前から風を掴まないと浮かばないのであるっ! 後ろからだと飛ばされる事はあるが、華麗に滑空出来ないのであるっ!
だから故にあの話は描写がおかしいと言う話ではなく、あの瞬間航空工学や物理的な力を超えた「何者かの力」が働いたから
オーニソプターは飛んだのだ。
なんかヌルッとさくっと「風に乗って空飛んだんだねー」ではなく、ヒコーキ小僧(今年47)はその異様さに息を呑んだ。すばらC! ファンタジッておるっ!
ともすれば、科学や理屈に魂を売り飛ばした連中にはロマンが無いと目されがちなのだが、ラララ科学の子は科学的視点を持つからこそ、皆が何気なくふわっと「当たり前」と見てしまう風景の中にも奇跡や得難い偶然の素晴らしさを見出すである。
先のパタパタ鳥の空の中で描かれた感動シーン、作者も意図してない可能性はあるが、ヒコーキ小僧は痛く感動した。これは奇跡を機に自らの人生を歩んだ「ヒコー少年」の物語である。
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!