#13 科学的介護推進加算について
こんにちは
tatsuyaです。
本日は、通所介護における介護報酬の中の体制加算の3つ目「科学的介護推進加算」について整理していきたいと思います。
この加算についても、今年度変更のあった項目の一つになりますね。
1.科学的介護推進加算
科学的介護推進加算とは、
介護サービスの質の向上を図ることを目的に創設された加算となります。
介護現場での客観的な情報を収集し、データ分析を行うことで、利用者の生活の質の向上を目指すとともに、スタッフのスキルアップを図ります。
介護サービスの提供方法や効果を評価し、根拠に基づいた改善を求められています。
2.導入まで経緯
・2017年に介護サービスの質の向上を目的とした方向性が示された。
・2021年に科学的介護推進加算(LIFE)が新設
・2024年に新科学的介護推進加算としてバージョンアップ
(入力項目や提出頻度の変更がなされた)
・現在、日本全体の介護施設の約4割が加算を取得しているとされています。
3.算定要件
利用者ごとにADL(日常生活動作)、栄養状態、口腔機能、認知症の症状など基本的な情報を、LIFEを用いて厚生労働省に3ヶ月に1回提出すること
(施設形態によって、提供必要な情報が若干異なります)
定期的な評価を行い情報を提出することが目的ではなく、フィードバックを活用してケアの見直しを行うことが大事とされています。
いわゆるPDCAサイクルをまわすことが重要とされています。
Plan;サービス計画を作成する
Do;実施する
Check;フィードバック情報も含めて検証する
Action;計画の見直し
4.メリット
①自施設・自身のケアの見直しが効果的にできる可能性がある。
②似たような状況の方(平均)と比較してケアの見直しができる可能性がある。
③様々な職種の連携した取り組みにつながる(共通の認識)がある。
5.余談ですが
科学的根拠と言われるとなんだかすごく難しいことをするのかと思われますよね。
2000年代ごろからEBM(科学的根拠に基づく医療)といって、根拠に基づいて意思決定していく医療が普及してきたと言われています。
理学療法士の業界においても2010年前後ごろと記憶していますが、EBPT(科学的根拠に基づく理学療法)といろんなところから聞くようになった時のことを思い出します。
当時は理学療法士の中でも、神ががった方々がいらっしゃって、なにをしているかわからないけど、なんかすごい!みたいな先生の講義やセミナーに人が集まるということが多々あったと記憶しています。
でも実際セミナーの後に結局どうするといいんだろう?と次の日に全く自分に取り入れることができなかったんですよね。
そんな中に科学的根拠に基づいて理学療法を行いなさいと言われた時に非常に抵抗感を覚えたことを思い出します。
あれだけ、神がかった先生の講義を多くの理学療法士が取得できないことを目の当たりにしているはずなのに。
どこかあこがれみたいなものがあったんでしょうかね。
今は、理学療法士も科学的根拠に基づいてと言われてもアレルギー症状がでる理学療法士さんはだいぶ少なくなってきたんじゃないでしょうか。
介護の現場においても、科学的根拠を用いてケアを行うと方向性に関しては、個人的にはいい方向に向かっているのではないかと思います。
良くなったけども、なにが要因でよくなったかを理解しないと次に同じようなことがおこった時に対応できないですよね。
以前、私が目にした光景のように、あの人はできてあの人はできない、あの場所ではできるけどもあの場所ではできないということは介護保険を利用する環境下であれば極力さけなければならないですよね。
介護士さんとケアについて相談する際に、ご自身の経験と感覚でケアを行なっていると感じることがまだまだ少なくないです(あくまでも私の周りのことです)。
特に認知症・排泄ケアに関しては、何度も意見が衝突したこともありました。
慣れるまで時間を要すると思いますが、積極的に活用するに値する加算だと思うので、少しずつみんなで意見交換を進めていきたいと思っています。
6.まとめ
ちょっと今回もボリュームが多くなりましたね。
特に余談では、私の思いを長々と書かせて頂きました。
それぞれの立場での思いもあるかと思いますので、よかったらコメント欄にてみなさんの意見も頂けるとありがたいです。
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回は、「生活機能向上連携加算」について整理していきたいと思います。
ではまた。
「制度に関して興味がでた」「介護保険をもっと知ってみたい」と思っていただけましたらサポートをして頂けるとありがたいです! 今後も介護報酬の改定を施設にとってプラスになるように継続して行なっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!