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おさかな(靴)天国

魚って、着るもんなんだよ。


私の最近の認識です。
食べもの?ノンノンノン。


おさかなは着るもの。


みなさんも常識にしていきましょ!


はい。
まじめに話すと、私レザーが大好きなのです。


それこそ革ジャンなんかもこれまでに数十着買っては手放ししてまいりました。
もちろん定番のSchottやLewis Leathersも持ってましたよ!


ワンスターやライトニングじゃなくて、70sのボーイズモデルと60s復刻のワールウィンドだけど。


すみません…ひねくれすぎて定番を遠ざけるクセがあるもんで…。


とりわけ未だにレザージャケットのつくりの異常性と革質という意味ではCarol Christian Poellの右に出るブランドはオールジャンルで見てもそうそう私は見たことがありません。


偉大なデザイナーズだと思います。


私が勝手に偏愛するBACKLASHも、CCPやC Diemのオブジェクトダイ、ウォッシャブルレザーの影響から派生したクリエイションですし、


アルチザンと呼ばれるジャンルのレザーアイテムはいつもワクワクさせられることが多いものです。


さて、本記事の写真に載せた靴…
これなんの革かおわかりでしょうか?


パイナップルみたいですよね。
ええ、パイナップルなんですよ!



じつはパイナップルってベジタブルタンニン鞣しとクローム鞣しをあーだこーだするとこうやって靴がつくれるんですよー!!
すごいでしょ!?


…ウソですごめんなさい。


これアマゾン川に生息する世界最大の淡水魚
Arapaima Gigasこと…
ピラルクの革なんです。


この靴は私が親しくしているイタリアのシューズアルチザン、Botta-sに依頼して制作してもらったものですが


実はピラルクレザーってウエスタンブーツやRick Owensの14AW頃のアイテムなどでは使用されていたんですよね。


魚のレザーといえば、ガルーシャ(スティングレイ)やシャークなどが比較的知られているかと思いますが


ヨーロッパだとウナギ革(イールスキン)なんかは高級素材として知られ、最近ではなんとシャケ革なんてものまでつくれるんだとか。
着れる非常食とか最強かよ。


とりわけ存在だけは知っていて、一度は手にしてみたかったのがこのピラルク。


Botta-sのデザイナー、Stefanoに
「ピラルクで靴つくってよ!」
と言ったところ、


「え、クロコダイルと同価格帯の最高級レザーだからクソ高いけど大丈夫?」


と。


へへっ、そんなの覚悟の上さ!
破産する覚悟ならいつでもしてるんだぜこちとら!


というわけで、彼に無理言ってピラルクを仕入れてもらいつくってもらったのが本記事の写真になります。


凄い表情ですよね。


ただでさえほかで見られない迫力満点のレザーに、
Stefanoによる手縫い、手染めのコニャックブラウンが圧倒的な雰囲気を醸し出しています。


それでいて、ラストが極端でないのでさりげなくコーディネートに溶け込むというこの
ピラルクの半分はやさしさでできているとでも言いたげなバフ◯リンも真っ青な按配。


シューメーカーとしての彼の素晴らしさを実感します。


彼との付き合いは3〜4年になるのですが、
ほかにもクドゥ、野生馬、ゴリゴリのシャーク、やわらかホースのバックパックもつくってもらいました。


なんか、こういうタイパとかコスパとかテクノロジーの時代に、ド非効率なことやってる人って素敵やん?


ロックスピリット感じちゃうんです、アルチザンって。
応援したくなっちゃうんですよね、私ボンクラなので。


こういう応援購買をしまくるから私はいつも金欠なわけですが、これも生き方だからしかたないね。


我が人生に一片の悔いなし!


…ごめんけっこうあるかも。


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