散歩の仕方と街のたたずまい
平日の昼過ぎ、夕方にするのが1番いい。
手ぶらで歩くのがいい。目的も、目的地も無く、何も持たずに丸腰で、自分を野に放つ感覚。
そして歩くときは腕を振る。普段腕はどれだけ使われていないだろう。スマホを持つようになると、腕を振ることはまれだ。
腕を振ると、歩いていることの実感が生まれる。
ゆっくり歩く。たまに立ち止まってしまうくらい。腕を組まない。丸腰。
酔っ払ったくらいの速度で歩く。
どんどん人々に抜かされる。
同時に、自分がいかに速く歩いているかに気づく。
目的地に向かっていかに速く歩いているか。
街の風景を見る。前を見ずに上を見る。
特に何でも無い建物や、信号を見るのが良い。建物の上の方を見る。
面している道は、何も無い方がいい。色で言うと緑、といったような道がいい。
路地ほど何かあるわけではなく。
そして、無機質で無骨な建物がいい。その建物がどれくらいの年月を経てきたかを考える。2007年にもあったのか、1998年にもあったのか。その中でいろんな人が入ってきた。そのまま年をとっているかもしれないし、別の場所に今いるかもしれないし、もう死んだのかもしれない。
そして住居表示を見る。ここはなんだ。なにがあった場所なんだ。100年前は栄えていたのだろうか。200年前はどうだったのか。
人間が生き死に、それに関係なく存在している土地。
すばらしくてNICECHOICEを口ずさむ。
そんな散歩ができるとき、それはすばらしくてNICECHOICEな瞬間。
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