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【読書日記】4/4 どの国の猫も幸せであって欲しい

動物写真家の岩合光昭さんによるイタリアの猫の写真集です。イタリアの街の紹介も書かれているので、紀行文としても読める楽しい本です。可愛い猫の写真がたくさん収録されているので、ページをめくっていると幸せな気持ちになります。

歴史的な建物や古い建物が多いイタリアの街に、猫はよく似合います。例えば、20ページと21ページにはアグリジェントの遺跡を背景にした三毛猫の写真が載っています。日本にもいそうな普通の猫なのですが、不思議と周りの景色を引き立てています。

岩合さんは猫がいると街に色気が漂う、と書かれています。その通りだと思います。さらに付け加えると、親しみが湧きます。猫がのんびり暮らせる街だったら、人間も暮らしやすいだろうと思うのです。

イタリアの猫たちが、歴史的な建造物に溶け込んでいることに驚きます。例えば、ナポレオンの夏の別荘だった聖マルティーノ荘の階段に寝転んでいる猫の写真もあります(75ページ)。のんきな寝顔で、まるで自分の寝台で寝ているような感じで、面白く感じました。

94ページのスパゲッティを食べている猫の写真が一番好きです。夢中になって、食らいついています。スパゲッティを食べる猫がいるとは思わなかったので、この写真には驚きました。岩合さんによると香川県には、うどんをすする猫がいるとか。その土地の名物を食べることは、猫の順応性の高さを表しているのかもしれません。

私の家の前には、団地の日当たりの良い道があります。そこで、寝転んだり、日向ぼっこをしている猫をときどき見かけます。見かけるたびに、ここは平和な住宅地なんだ、と感謝したくなります。戦争が起こっている街だったら、猫ものんびりと暮らせないでしょう。

その意味で、この本のイタリアの猫たちは幸せです。イタリアだけでなく、世界中の猫たちが、幸せにのんびり暮らせる日が来ますように。


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