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ショパンの音楽の美しさを純粋に引き出した演奏 CDレヴュー リパッティ 『ショパン ワルツ全曲』(約530字)

私はクラシックも好きで、いろいろな作品を聞いています。特にピアノ曲が好きで、ルービンシュタインやホロビッツ、リヒテル、ギレリスなどの作品をよく聞きます。

リパッティによるショパンの『ワルツ全集』はこれまで聞いたピアノ曲の中で一番気に入って、繰り返し聞いています。

ため息が出るような美しい演奏です。音の一つ一つが光り輝いているようなところがあります。優雅で繊細で、人間が作り出したものとは思えないと感じることも多いです。

ショパンの音楽にはいろいろな面があります。感傷性や叙情性、悲哀、力強さなどリパッティの演奏は、ショパンのその多面性を美しく引き出しています。この『ワルツ全集』ではリパッティ自身の個性はあまり感じません。それよりも音楽の美しさが前面に出ている感じです。それほどリパッティはショパンに惚れこんでいたのかもしれません。

33歳の若さで亡くなってしまったのが本当に残念です。生きていたら素晴らしい演奏をもっと残せたかもしれません。リパッティは音楽を心から愛していたそうです。この演奏にもそれを感じます。

リパッティにとっては音楽を演奏するのは、純粋な喜びだったに違いありません。喜びは人間の感情の中で最も美しいものです。彼の演奏の輝きは音楽の喜びそのものです。

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