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【読書感想文】まず自尊心を持つこと(1118字)

ジェリー・ミンチントンの『完全版 心の持ち方』を読みました。有名な本なので、読まれた方や、書店で見かけた方も多いのではないかと思います。読みやすい内容で、生きる上で役立つ92個の助言が載っています。自分で分かっていることでも、この本のように文章化して読むと頭の中に入りやすい気がしました。

自尊心を持つことの大切さが、本書の中では繰り返し説かれています。自尊心とは自己陶酔ではなく、自分を大切に考えることです。自尊心を持つことができれば、自分の価値を信じられるようになります。他人の賞賛はいらなくなるので、生きやすくなるというのが作者の主張です。

今の世の中では、自尊心を持つことが難しいです。お金をたくさん持つことや高い地位に登ることなどに成功すれば、自尊心を持てるかもしれません。でもそれが可能になるのはごく一握りの人たちです。

子供の時の評価も、自尊心を左右することが書かれています。家庭や学校で、ダメな子供、ダメな生徒と言われたら、一生それを引きずってしまいます。私自身がまさにそうで、自分はダメな人間だとずっと思い込んでいました。

今でもそう思うこともありますが、長い間心の中で葛藤を続けて、そんな性状を克服しつつあります。いろいろな本を読んだことや、仕事で認められたことが、自尊心の向上につながったと思います。

本書は一つ一つの助言が2ページにまとめられているので、自分のその時の心の状態に応じて、必要な箇所を読むことができます。読む心の薬として使えるかもしれません。

昔の事を思い出して、悲しくなることがあります。悲しくなるのは自然な感情の場合もあるので、気に病むことはないでしょう。でも繰り返して悲しいことを思い出す場合は、本書の40に書かれている助言が役立ちます。「悲しい記憶を心の中で反復すると、痛みが繰り返され、記憶も消えない。記憶の再生はもうやめると決めよう」(99ページ)

今回本書を読んで一番心に残ったのは、12の「自分の不完全さを認める」です。私は完璧主義者のところがあり、仕事や人間関係で失敗すると、一時落ち込んでしまいます。能天気な方なのでしばらくすると、気にしなくなるのですが、落ち込んでいる間は結構つらいです。

この本には、「①世の中の人は誰一人として完全ではない ②世の中の人は誰一人として今後も完全になれない ③あなたが完全である必要は全くない!」(39ページ)と書かれています。当たり前のことだと言えるのですが、こうして文章として読むと頭にすっきり入って、救われた気がしました。

この本は読む時の精神状態によって、心に響くところが変わってくるはずです。心の常備薬として手元に置いて、時々読み返していきたいです。


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