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美術散歩 『飄々表具ー杉本博司の表具表現世界』@細見美術館

(訪問日:2020/06/26)

京都市京セラ美術館で『瑠璃の浄土』展を観た後に、杉本さん繋がりで細見美術館で開催中の『飄々表具ー杉本博司の表具表現』へ行ってきました。

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そもそも表具って何?

と、お思いの方もいらっしゃるかもしれません。
表具とは、布や紙を貼って仕立てる屏風、掛け軸、巻物などのことです。
障子や襖も表具になります。
それらを仕立てることを表装と言います。

掛け軸には、各部に名前がついていて、どういう布・紙を組み合わせるかによってその作品の表情も変わってきます。

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杉本表具の世界

今回の展覧会は、杉本さんのコレクションを杉本さん自身が表装したものと、細見美術館の所蔵品の組み合わせで構成されています。

ご自身の作品「華厳滝図」と飛鳥時代の大刀を組み合わせた作品。
表具にリトグラフを使うのって、アリなんだ!違和感なく水墨画のように見えます。
この作品は、杉本さんが初めて表装を手掛けたもの。

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「海景」シリーズは軸層ではないですが、しっくりと他の展示作品となじんでいます。京セラ美術館で観た「光学硝子五輪搭」でも感じたのですが、杉本さんの作品は日本の文化が何層にも重なって表現されているように思います。

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展示は第3展示室まであり、「春日若宮曼荼羅」から始まって、白髪一雄、坂本龍一、A.ウォーホールまで表装してしまうとは!
その古美術のみならず幅広い収集品にも驚きますが、発想がユニークです。
細見美術館の所蔵品に合わせて、お軸の各部位の色や素材を仕立てていて、新しく染めた布もあり、何百年も前の布を使ったもの、果てはパジャマの生地まで使っていたり。
表装って、こんなに自由でいいのね、と驚きました。

一番驚くのは、個人コレクションでこれだけのものを持っている杉本さんの収集力(&財力)。

江之浦測候所でも杉本さんの個人コレクションがふんだんに配置されていて、その時もかなり驚きましたが、今日改めてため息が出ました。
ただ収集するだけではなくて、新しい命を吹き込み人々に見せてくれる。
それを飄々とやってしまうあたり、かっこいいなあと思うのです。

展覧会情報

本展覧会は、会期を変更して2020年9月6日(日)まで開催しています。
前期:7月12日(日)まで 後期:7月14日(火)~9月6日(日)
入館時には、マスク着用、手の消毒、住所・名前などの記載が必要になります。
詳細は美術館HPにてご確認ください。
細見美術館HP:

また、京都京セラ美術館との相互割引があります。本展覧会のチケットで優待料金で入館できます。

京都京セラ美術館HP:

それでは、ぜひ楽しい美術散歩を♪

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