【1日1文献】動物病院における理学療法士によるリハビリの実践と可能性~犬の椎間板ヘルニア症例から得た知見~#動物医療#動物理学療法#犬

参考文献:動物病院における理学療法士によるリハビリの実践と可能性~犬の椎間板ヘルニア症例から得た知見~
筆者:森 雅幸高瀬 雅行本池 俊仁
発行日:2022年
掲載元:第41回関東甲信越ブロック理学療法士学会
検索方法:インターネット
キーワード:動物リハビリテーション・動物理学療法

【はじめに、目的】 
・動物医療の高度化により救済される動物が多くなっていることに加え、飼育環境や食餌状況の改善によって寿命が延伸することで高齢となる愛玩動物が増加している。
・その反面、生活動作 に障害をもつ動物が増えており、飼い主の介護負担や精神的な 不安を抱えることが多くなっている。
・そのため動物に対するリハビリの需要が高まっており、動物病院においてリハビリを行 う機会が増えている。
・しかし、リハビリの専門家である理学療法士(以下、PT)が関わっていることは少ないのが現状である。 
・今回の報告では、犬の動物リハの経験を通して動物病院におけ る PT によるリハビリの実践状況と経過から得た知見を報告する。 

【方法】 
・片側椎弓切除術を実施した胸椎椎間板ヘルニアのミニチュア ダックスフンドの症例に、獣医師の指示の下で PT による身体評価、運動療法、飼い主への指導を実施した。
・術後 2 か月後から 介入し、月 2 回または 1 回の頻度で PT による外来リハビリを 継続し、定期的に神経学的検査、周径測定、動画による動作分析を行った。 

【結果】 
・後肢の屈筋・伸筋反射の増大、麻痺の改善、大腿・下腿周径の 増大、立ち上がり・立位・歩行能力の向上を認めた。
・経過中の膝 蓋骨の異常な可動性を認め、獣医師との連携により、早期に対応 することが出来た。
・PTの関わりによってリハビリや生活に関 する相談が可能となったことで飼い主の不安が軽減した。 

【考察】
・動物病院では多領域にわたる診療業務により、リハビリに特 化した人材が不足している。
・PT によるリハビリは身体機能や 能力の変化を定量的・定性的に評価することが可能であり、動物においても有益な理学療法を実施できる可能性が示唆され た。 

【結論】 
・PT による動物に対する理学療法の展開は、身体機能や能力 の向上に有用である可能性を秘めており、獣医師や動物看護師 とともにリスクに配慮した効果的なリハビリを展開することが 出来る可能性がある。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptkanbloc/41/0/41_0203/_pdf/-char/ja


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