【1日1文献】地域高齢者の口腔および摂食嚥下機能維持を目指す上での歯科診療所で働く言語聴覚士の効果と,課題に関する質的研究 ~歯科医師の視点から~#言語聴覚士#口腔機能#歯科診療所

参考文献:地域高齢者の口腔および摂食嚥下機能維持を目指す上での歯科診療所で働く言語聴覚士の効果と,課題に関する質的研究 ~歯科医師の視点から~
筆者:小島 香  , 阿志賀 大和岡田 栄作
発行日:2022年
掲載元:日本在宅医療連合学会誌 3 巻 (2022) 2 号
検索方法:インターネット
キーワード:言語聴覚士口腔機能摂食嚥下障害質的研究歯科診療所

【抄録】
・歯科診療所は,口腔機能のみでなく摂食嚥下機能にも関わる機会が増えている.
・今後,地域の中での口腔および摂食嚥下の診療の充実を図るため,歯科診療所における言語聴覚士(ST)の雇用による効果と問題点を明らかとする.
・歯科診療所でST を雇用する歯科医師4 名を対象として半構造化面接による調査を行った.
・質的分析を行い,5 つのカテゴリーに分けた.歯科で働く ST の背景を調査したことで,歯科診療所での ST の役割と活躍する上での課題が可視化された.
・歯科診療所において地域高齢者の口腔や摂食機能に ST が積極的に関わるための環境やシステム構築の重要性が明らかとなった.

メモ
・日本人の死亡原因 6 位に誤嚥性肺炎がある1). 
・誤嚥性肺炎は加齢に伴う筋力低下により口や喉を はじめとする摂食嚥下や呼吸機能が低下するもの であり,高齢者の発症率は高い2).誤嚥の原因には,口腔や嚥下機能の低下があり,それらは加齢 に伴う筋力低下や脳卒中に伴う麻痺,パーキンソ ン病等に伴い生じる.
・地域高齢者の 4 人に 1 人で 摂食嚥下障害の疑い があると報告されている3). 
・肺炎患者における誤嚥の関与は 70 歳代では 70% 以上,80 歳以上では 90%近く2),高齢者の救急 患者の入院主病名は,肺炎が 29.8% と一番高いと される4).
・在宅生活を送る高齢者の中にも,潜在 的に口腔や摂食嚥下機能の障害を有しており,高 齢化が進むにつれ,さらに誤嚥性肺炎の発症率が 上がる可能性がある.

・高齢者の誤嚥性肺炎を予防 するためには,地域で肺炎予防を行う環境を整え ることが必要となる.
・対策としては,関連する筋 力の維持と早期発見が重要である.
・しかし,早期 発見ができる環境は非常に少なく,発症後に嚥下 機能の低下に気づくことも多い.
・機能が低下して きた時点で,高齢者が自身の能力を自覚し,予防 に取り組む必要がある.

・現状では,急性期病院や回復期リハ病院を 退院した言語障害や摂食嚥下障害を有する患者に おいて,地域で継続的にリハを受けられる環境は 限られている.
・訪問看護ステーションからの療法 士によるリハの提供は増えているが,外出が可能 な患者にも対応しているケースは少なくない.
・それは活動機会を低下させる一因になる可能性もある.
・その一因としては,訪問看護ステーションに 勤務する ST は増加しているが14),通所サービス に所属する者が少ないことも影響していると考え る.
・退院後の機能維持,社会的孤立を増やさない ためにも,医師や歯科医師から指示を受けられる 環境である地域の診療所に ST が所属し,リハを 行うことは有用 と考える

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahcm/3/2/3_3.2_11/_pdf/-char/ja


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