【1日1文献】脊髄損傷に対する再生医療とリハビリテーションの重要性#脊髄損傷#iPS細胞#再生医療

参考文献:脊髄損傷に対する再生医療とリハビリテーションの重要性
筆者:名越 慈人, 辻 収彦, 岡野 栄之, 中村 雅也
発行日:2019年
掲載元:The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 56 巻 (2019) 9 号
検索方法:インターネット
キーワード:脊髄損傷, iPS細胞, リハビリテーション

【抄録】
・これまでわれわれは,前臨床試験として損傷脊髄に神経前駆細胞を移植し,有効な運動機能の回復が得られることを報告してきた.
・特に,損傷慢性期における細胞移植では,機能再建をめざしたリハビリテーションを組み合わせることにより,宿主との神経回路が構築されて機能が改善することが明らかになっている.
・すでにiPS細胞を用いたfirst in manの臨床研究が準備段階にあり,将来的には慢性期脊髄損傷患者に対するリハビリテーションとの複合治療を確立していきたい.

【リハビリテーションの重要性】
・脊髄損傷に対するリハビリテーションは,運動機能の回復を促進し筋の拘縮や廃用を予防する目的で,欠かせない治療の1つになっている.
・われわれの研究でも,胸髄損傷モデルのラットにトレッド ミル訓練を施行したところ,腰膨大部における神経栄養因子の発現上昇とそれに伴う神経の異常発 火の抑制を認め,痙性や疼痛が軽減することを明らかにした.
・再生医療の確立に向けては,細胞移植を行ったうえで,機能再建をめざしたリハビリテーションのかかわりが必須と考える.
・すなわち,移植した細 胞が宿主の組織とシナプスを形成し,トレーニング を繰り返し行うことで,より機能的な神経回路の構 築が可能になる.
・われわれは,げっ歯類の慢性期 脊髄損傷モデルに対して神経幹細胞移植を行い, トレッドミル訓練を併用して機能評価を行っ た.
・その結果,併用療法を行った群では歩行 機能の安定化と感覚機能の改善が認められた.
・組織学的には,運動にかかわるセロトニン作動性ニューロンや再生した神経軸索が併用群で有意に増加しており,慢性期脊髄損傷における細胞移植とリハビリテーションの併用療法の有用性を初めて示した報告となった.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/9/56_56.706/_pdf/-char/ja

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