【1日1事例】地域コミュニティとしての 「ふれあい・いきいきサロン」の評価 #地域コミュニティ #高齢者 #サロン

参考文献:地域コミュニティとしての 「ふれあい・いきいきサロン」の評価
筆者:中村久美
発行日:2009年
掲載元:日本家政学会誌 Vol. 60 No. 1
検索方法:インターネット
キーワード:地域コミュニティ, 高齢者, 住生活, 生活の質, 集会所
要約
目的:地域コミュニティと してサロンを評価し, 持続性あるサロンのあり方を考えること
まとめ:・サロン利用者は後期高齢者の比率が高い. 単身, または配偶者とだけで暮す後期高齢者が全体の3割を占める. そのなかには日常生活が家事・家族支援など の義務的行為やテレビ視聴などの慰安中心の消極的な 生活態度の者も少なくない. 彼らにとってサロンは 「心のよりどころ」 と位置づけられる.
・ 利用者は 「人との交流」 「健康維持・ボケ防止」 「相談事や生活情報を得る」 などの目的意識をもち, その多くはほとんど毎回出席している. 彼らの日常生活にサロンは定着している.
・サロン参加者の相互関係は, 介護予防プログラ ムを提供する支援者対それを享受する被支援者の立場 に明確に分かれるものから, 全員が対等の立場で議論するもの, その中間的な位置づけのものなど多様である.
・また希望者を広く受け入れるサロンと, 空間の制 約や仲間意識から, 利用人数を制限するサロンに分かれる. 現状のサロンの性格は多様である.
・居住地生活や地域ボランティアへの関心の高い運営者と, 地域に依存しつつもささやかな地域貢献を行いながら自立生活を送る利用者が時間と場を共有し, 情報のやりとりや知的刺激, 情緒的快楽を得ることで それぞれに生活の質を高めていく場として, サロンの活動価値を評価できる.
・非常時にサロンの主催者や仲間を頼りたいとする高齢者は少なくない.
・一方, サロンに参加できない高齢者も, その存在がサロン関係者の間で情報として 共有され, 日常の見守りと非常時の対応のための情報ネットワークに組み込まれている.
・情報拠点としてのサロンの存在価値は大きい.
・サロンにみられる住民の共同性は, 居住地生活の処理システムとしてのコミュニティそのものである. その拠点となる開催場所は集会所が妥当である. 今後のコミュニティのあり方として, サロンを中心にした積極的な集会所運営が求められる.
・集会所には高齢化対応やイス座を基本にした集会スペースを普遍的に整備したうえで, 社交の場にふさわしいインテリアと, 立ち寄りやすさを創出するテ ラスや縁側を設けるなどの施設計画が必要である.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/60/1/60_1_25/_pdf/-char/ja

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