【1日1事例】産後の母親の疲労感に対する運動プログラムの効果に関する システマティックレビュー #産後 #運動 #疲労感

参考文献:産後の母親の疲労感に対する運動プログラムの効果に関する システマティックレビュー
筆者:森脇 愛絵, 松﨑 政代  , 中井 佳奈, 住友 陽菜
発行日:2020年
掲載元:運動疫学研究 22巻 2 号
検索方法:インターネット
キーワード: 産後, 運動, 疲労感, ランダム化比較試験

要約
【目的】健康な産後の女性の疲労感に対する運動プログラムの影響をRCTのシステマティックレビューによって明らかにすること
【文献の採用基準】
1)褥婦を対象とした RCT を実施していること
2)介入内容が産後の運動であること
3)アウトカムに疲労を測定する尺度が含まれていること
4)日本語または英語の論文であること
のすべてを満たすものとした。
【文献の除外基準】
産後うつ病と診断された褥婦を対象としたものとした。
【方法】システマティックレビュー
【結果】
・論文 62 編が検索され,採用基準に合致した 6 編を対象とした。運動による疲労軽減効果が示されたのは 3 編であった。しかし,バイアスの評価・検証を行った結果,効果のある論文ほど「高リスク」 あるいは「リスク不明」の項目が多かった。また、実際の運動量が指示された運動量を満たせていなかったものが 3 編あった。
【結論】運動プログラムの実施による疲労への軽減効果について明らかにすることはできなかった。今後,アドヒアランスを維持させ低バイアスの質の高い RCT を実施し,疲労感への運動の有用性を明らか にする必要がある。
【メモ】
・産褥期に生じる疲労感は,母親のメンタルヘル スを悪化させ,マタニティブルーズや産後うつ病 の発症に関連することが指摘されている
・産褥期とは,妊娠・分娩により生じた母体の解 剖学的変化と機能的変化が非妊時の状態に回復す る産後 6~8 週間とされている
・産後女性の多くが抱っこ・ 授乳に多大な時間をとり,猫背姿勢や骨盤を歪める姿勢をとる可能性を示唆している。このことにより肩こりや腰痛を疲労の自覚症状として訴える 褥婦が多く,また訴えが長期にわたってみられると考えられる。これらの肩こりおよび腰痛に対し,柔軟運動を行うことで姿勢および柔軟性が 改善され,症状が軽減したことが報告されている

調べた単語:「アドヒアランス」、「コンプライアンス」
・患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受けること
・患者が医療従事者の指示通り治療を受けること

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ree/22/2/22_1914/_pdf/-char/ja


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