【1日1事例】健康寿命延伸と療法士:作業療法士の立場から ―自分らしい地域生活を継続するための Meaningful Activity― #意味のある作業 #作業に焦点を当てた実践 #地域生活

参考文献:健康寿命延伸と療法士:作業療法士の立場から ―自分らしい地域生活を継続するための Meaningful Activity―
筆者:田平 隆行,池田 由里子 ,丸田 道雄 ,下木原 俊
発行日:2022年
掲載元:日本老年療法学会誌 Vol. 1
検索方法:インターネット
キーワード:意味のある作業 Meaningful Activity,作業に焦点を当てた実践 Occupation-Focused Practice, 垂水研究 Tarumizu Study

【抄録】
・Healthy Aging(WHO)や世界的な作業療法の潮流を受け,個人にとって意味のある活動(Meaningful Activity; MA)を基にした作業療法実践が重要視されてきている。
・MA は「個人,集団,地域にとって個別 的意味があり,納得のいく経験を促すために選択され,遂行される作業」と定義されているが,世界的なコンセンサスは得られていない。
・しかし,地域在住高齢者の MA を発掘し,MA に焦点を当てた実践によっ て IADL や QOL に効果があることが分かってきた。
・我々が取り組んでいる地域在住高齢者に対する MA 調 査においても,MA の満足度と抑うつやアパシーとは有意な関連があり,MA の満足度を高める支援が必 要と考える。
・さらに,身体フレイルを有する高齢者は身体活動を,認知機能障害を有する高齢者は認知活 動をそれぞれ MA として選択する割合が有意に低く,フレイルの各側面に応じて MA が影響を受けることも分かった。
・住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるために MA に従事し満足できるよう,本人のでき ることを最大限に活かした作業療法を展開していきたい。

【メモ】
・超高齢化社会に伴い,作業療法の対象者は65歳以上の 高齢者が,医療保険領域において身体障害領域78.5%, 精神障害領域50%であり,介護保険領域を含めると多くの割合を占める
・作業には個別的 な目的や価値が含まれることから,個別性が高く,クライエントの価値を重視した実践が改めて重要視されるようになった。このことは,どの領域においても重要な視点であるが,特に地域生活はライフスタイルや生活環 境,社会的役割等の個人・環境因子が大きく異なるため, 地域在住高齢者の健康寿命延伸を考える上では欠かせない視点である。
・作業療法士は,本人にとって意味のある活動(Meaningful Activity; MA)に 焦点を当て,地域在住高齢者の健康や幸福,生活行為の支援をしていきたいところである。
【MA】
・基本概念としては,積極的な参加,興味や 過去の役割に関連した活動内容,性格や帰属意識(belonging)のような基本的な心理的欲求を満たす活動とされて いる
・これらの特徴は感情的,経験的なものであり,自己選択,自己コントロール,自己所属感のような人の基本的欲求が根底にある。その領域は,日常生活活動,仕事,対人交流,社会活動,余暇活動など幅 広い領域が含まれている。


参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgts/1/0/1_2022_004/_pdf/-char/ja


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