【1日1文献】意味性認知症者に対する通所リハビリテーションにおける家事支援 ─絵とリハビリテーション会議を用いた作業療法により主婦の役割を維持した一例─#認知症#家事支援#主婦

参考文献:意味性認知症者に対する通所リハビリテーションにおける家事支援 ─絵とリハビリテーション会議を用いた作業療法により主婦の役割を維持した一例─
筆者:加茂 永梨佳三宅 英司浅井 憲義金子 弥樹
発行日:2020年
掲載元:作業療法 39 巻 (2020) 5 号
検索方法:インターネット
キーワード: 認知症単一症例研究通所リハビリテーション作業マネジメント

【要旨】
・症例は意味性認知症の利用者で主婦の役割を担っていた.買い物の継続を目的に,作業療法士が介入した.
・開始時,聴理解,自発話,書字・読字などの言語の障害を認め,言語の理解・表出が困難であったが,買い物は文字で書いたメモを使用して遂行可能であった.
・そこで介入は,絵を描く作業活動と絵を用いて,買い物に必要な単語の理解や表出を補う練習を行った.また,リハビリテーション(以下,リハ)会議を通して,家族からの情報収集と指導などを行った.
・その結果,1年後に言語症状の進行は認めたが,絵と文字で書かれたメモを使用して買い物は可能であった.
・意味性認知症者に対して,作業活動を用いた代償手段の獲得とリハ会議は有効であると考える

メモ
・意味性認知症(semantic dementia;以下,SD)は, 認知症に分類され,語の想起(換語)と語の理解(語義)の障害である語義失語を中核症状とし,症状は潜 行性に発症し,徐々に進行する1).
・また,生活面では, 語彙が減少し,コミュニケーション障害が著しくなる ために,次第に日常生活活動の範囲も狭小化する

・SD が認知症に分類され, 認知症における OTでは,生活機能の向上に物的および人的環境調整の有効性が報告されている7) ことから, OT による環境調整により,SD のリハにおいて獲得 された語が有効に機能せず生活に汎化されづらいという課題を補える可能性があると考えた.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/39/5/39_623/_pdf/-char/ja

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