【1日1事例】当院訪問リハビリテーションにおける3C分析・SWOT分析を用いた戦略目標の策定 #訪問リハビリ #3C分析 #SWOT分析
参考文献:当院訪問リハビリテーションにおける3C分析・SWOT分析を用いた戦略目標の策定
筆者:松岡 隼人, 吉原 充
発行日:2020年
掲載元:第53回日本理学療法学術大会 抄録集
検索方法:インターネット
キーワード:訪問リハビリテーション, 3C分析, SWOT分析
抄録:
【はじめに】
・マーケティング手法の中に、企業における市場・競合・自社の3つの要素について分析を行う手法の3C分析、及び自社の内部環境の「強み」と「弱み」、外部環境からの「機会」と「脅威」を導き出す手法のSWOT分析がある。
・3C分析で集めた情報を、SWOT分析により自社の内部環境・外部環境の視点から解釈することで、自社における戦略目標を策定する。
・当院の訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)は、PT4名が在籍し、訪問エリアは東京都中野区のほぼ全域と杉並区東部である。
・今回、3C分析・SWOT分析を用いて当院訪問リハにおける戦略目標を策定した。
【方法】
・市場分析として、訪問エリア内の居宅介護支援事業所(以下居宅)数と地域包括支援センター(以下包括)数を、競合分析として、訪問リハを提供する事業所数とリハスタッフ在籍者数を調査した。
・調査は各ホームページ(中野区・杉並区・日本医師会地域医療情報システム・厚労省介護サービス情報公表システム)にて行った。
・自社分析として、平成27年7月~平成30年3月の当院訪問リハの新規利用者、その依頼元の居宅・包括、及び当院訪問リハへ指示書を発行した医療機関について当院の記録から各々の数を抽出した。
・この3C分析で得られた情報を基にSWOT分析を行った。
【結果】
・市場分析と自社分析から、訪問エリア内の居宅・包括は93ヶ所(当院の居宅を含む)で、その中の53ヶ所から当院訪問リハへ依頼があった。
・競合分析から、訪問リハを提供する事業所は25ヶ所、そのうち訪問看護ステーションは19ヶ所、PTに加えOTまたはSTが在籍する事業所は11ヶ所であり、リハスタッフは最大21人、最少1人、平均5.6人で、当院訪問リハよりリハスタッフが多い事業所は11ヶ所であった。
・自社分析から、当院訪問リハの新規利用者は延べ134名で、その依頼元である居宅・包括の割合は、当院が19%、外部からは81%であった。
・一方、指示書の発行元である医療機関の割合は、当院が72%、外部からは28%であった。
・SWOT分析により、当院訪問リハの内部環境の強みを「当院医師からの指示が多い」、弱みを「OT・STが在籍していない」、外部環境からの機会を「外部の居宅・包括からの依頼が多い」、脅威を「訪問看護の対応も可能な事業所、リハスタッフが当院訪問リハより多い事業所、PTに加えOT・STが在籍する事業所」とした。
【結論】
・当院訪問リハの戦略目標を「訪問看護やOT・STによる訪問リハの提供はできないが、当院医師からの指示が多いという強みを活かし、入院患者の退院後のフォローや外来患者の訪問リハ導入などのニーズに応えることで、当院訪問リハの利用者を獲得していく」とした。
・3C分析・SWOT分析を用いることで、当院訪問リハの戦略目標を策定することができた。
参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_G-94_1/_pdf/-char/ja
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