【1日1事例】特別支援学校と自立活動指導員 -かかわりの中で見えてきたこと- #特別支援学校 #自立活動指導員 #自立活動コーディネーター

参考文献:特別支援学校と自立活動指導員 -かかわりの中で見えてきたこと-
筆者:真鍋 由美子, 庄本 直子, 高橋 友梨
発行日:2020年
掲載元:理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
検索方法:インターネット
キーワード:特別支援学校, 自立活動指導員, 自立活動コーディネーター
【はじめに】
・当財団は平成27年度からA特別支援学校肢体不自由部門(以下A特支)から業務委託を受け、理学療法士(以下PT)と作業療法士(以下OT)が自立活動指導員(以下指導員)として勤務している。
・学校という医療機関とは異なる環境に「どのように介入していくのか」ということに悩み、アンケートの実施や、環境変化をもとに経験したことを報告する。
【アンケートの実施】
・「指導員に求められることは何か」という目的で、平成28年度にA特支に勤務する常勤・非常勤の教員を対象にアンケートを実施した。自記式質問紙調査とし、留め置き法とした。実施は、平成28年7月(以下前期)と平成29年3月(以下後期)の2回とした。
・質問は前後期同一とし、詳細は、当時の学校長との話し合いで決定し、回答は選択・自由記載方式とした。得られた回答は統計的に処理し、匿名性の確保に努めた。
・「体の触れ方」「問題点がわかる」「良くなった」の項目を抽出し検討した。
・ 前期の回収率は91.0%であった。良かったという回答は、「体の触れ方」80.4%、「問題点がわかった」29.4%、「良くなった」43.1%であった。
 ・後期の回収率は84.0%であった。良かったという回答は、「体の触れ方」93.3%、「問題点がわかる」35.6%、「良くなった」13.3%であった。
・統計学的検討は、前後期の回答数に対してカイ二乗検定(有意水準5%)を用いた。「体の触り方」「良くなった」という項目にて、有意差がみられた。これは、担任と関わる回数や児童生徒の情報が増えたことで、より具体的な関わりが持てたことが一因と考えた。
・それに対し、「問題点がわかる」は他の項目に比べ、前後期とも低い回答割合だった。「問題点がわかる」ためには、児童生徒の実態を把握する必要がある。ここ近年、障害の重度・重複化に伴い、多角的に児童生徒の評価・実態把握が必要であると示唆された。
【環境変化】
・環境変化とは、当財団指導員に関わる内容とした。
・①前後期のアンケート間に、自立活動コーディネーター(以下コーディネーター)の調整のもと、生活場面の情報が増え、他の授業等への同席機会が作られた。
・②平成30年より、言語聴覚士・ICTアドバイザー等の多職種が増員され、多角的な情報が得られるようになった。
【まとめ】
・今年度で4年目の関わりを迎える。毎年教員の異動があるなか、現在、コーディネーターが中心となり、役割の明確化、教員との情報の共有化、相談できる体制が整えられている。
・今年度は、指導員が増えたことで、さらに役割が明確化された。コーディネーターが、医療等の外部の指導員と教育現場のパイプ役となり、多角的な評価結果を授業等に活用していることを実感できた。
・本検討から、学校また自立活動という環境・制度を知り、コーディネーターを軸にしたコミュニケーションを重ねることが、学校での役割を果たすうえで重要であると考えられた。


参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_J-66_1/_pdf/-char/ja


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?