【1日1文献】リハビリテーションに関する達成動機尺度に基づいた自己評定法と面接法を併用した人工股関節全置換術後の患者に対する介入#動機づけ#人工股関節置換術#自己評価

参考文献:リハビリテーションに関する達成動機尺度に基づいた自己評定法と面接法を併用した人工股関節全置換術後の患者に対する介入
筆者:松本 健太郎, 佐野 伸之
発行日:2021年
掲載元:作業療法 40 巻 (2021) 3 号
検索方法:インターネット
キーワード:動機づけ, 人工股関節置換術, 評価法, (SAMR), 面接

【抄録】
・作業療法では,対象者の生活行為がやり遂げられるように,意欲を引き出す支援が重要となる.
・今回,人工股関節全置換術後患者に対して,自己評定法に加えて半構造的面接法を併用することで,対象者の目標に対する意欲や生活行為への参加を高められた介入手順について報告する.
・リハビリテーションに関する達成動機尺度の得点から達成動機の状態を把握し,面接法により事例の作業参加につながる目標,行動計画,周囲のサポートについて合意形成した.
・その内容を視覚的に意識づけし適宜修正することで,事例の達成動機の向上や積極的な行動変容が窺えた.
・達成動機の観点から面接法を併用することで,サポート内容を明確化することが期待できる.

メモ
・目標をやり遂げたいという意欲は達成動機と呼ばれ2),リハビリテーション領域では達成動機の理論 に基づく介入プログラムが提案されている.
・脳卒中患 者に対する日常生活動作(以下,ADL)獲得の目標 設定では,中等度に困難な課題が最も意欲的に取り組 めると提起している3).
・また,股関節骨折後の高齢女性では,規則的な運動習慣を獲得するために,目標設定や積極的な言葉での励ましに基づく介入プログラム が紹介されている

・リハビリテーションサービスを受ける者の達成動機 を簡便に評価する方法として,自記式質問紙である「リ ハビリテーションに関する達成動機尺度(Scale for Achievement Motive in Rehabilitation;以下, SAMR)」が開発されている
・SAMR は 10 の質問 項目から構成され,各項目に「非常によく当てはまる (7 点)」から「全然当てはまらない(1 点)」の 7 件法 で自己評定し,合計得点(得点範囲 10~70 点)から 自身の達成動機の状態を 6 段階で捉えることができる
・さらに,項目 1~6 で構成される自己研鑽的因子(自分自身を高めるために成果が明瞭で自他から評価され やすい目標を達成しようとすること:表 1 の No.1 か ら No.6)と
・項目 7~10 で構成される方法志向的因子(目標達成において自他が認めたリハビリテーションの方法を重視して努力すること:表 1 の No.7 から No.10)の観点から,達成動機の特性を解釈できる
・このSAMR を用いた事例研究が報告され,合計得点や各因子の得点からケースの意欲の特徴や強さを解釈し,意欲を引き出すための目標や行動を共有する介入が行われている

・先行研究では単に達成動機の状態を高めるだけでは なく,自分にとって価値のある生活行為への参加を支 援することが,より健康関連 QOL を高める可能性が あると報告されている
・このような観点は,健康と幸福を促進するために,作業に焦点を当てた支援を行う作業療法の定義を支持する知見である

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/40/3/40_329/_pdf/-char/ja 


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