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失敗はヒーリングのもと?


仕事から帰宅して、すぐに夕飯の支度。いつものことだけど、その日は仕事で嫌なこともあり私の心は少し疲れていた。

朝から水切りしていた豆腐、挽肉、玉ねぎ、パン粉、卵達。ボウルの中で仲良く混ざっていく。あー、なんで良いチームワークなんだろう。私も見習いたい。
フライパンの上では更に素晴らしいプレイ。チーム分けされたハンバーグが可愛くふっくら、こんがり焼けた肌で並んでいる。
上からトロっとあんをかけて、豆腐ハンバーグの完成だ。
つけ合わせは冷蔵庫で待機していた、茄子の揚げ浸しとトマト、オクラ。高貴な紫、情熱の赤、安らぎの緑、それぞれが疲れた私を慰めてくれる。泣けてくる、なんて優しい子達、と盛り上がる私。

冷凍しておいたシジミをジップロックからザザッーと鍋に入れて火にかけた。あとは味噌を入れればお味噌汁も完成する。しかし、味噌を溶いているとシジミの様子がおかしい。浮き上がって閉じたままに見える。いや、よく見ると丸いものがプカプカ浮かんで、お湯も黒くなってる。シジミ汁特有の白っぽさとは正反対の黒、黒というより紫?どういうことだ?

なんと、冷凍庫から出したジップロックはシジミでは無かった。スーパーの特売で買った、ブルーベリーだ。食べきれないから冷凍しておいたのを思い出した。

時が止まった。

そこへ帰宅した息子が登場。大好きなシジミ汁がまさかのブルーベリー味噌汁になった事を真摯に受け止め⁈大笑い。
そして、躊躇なく味見をしてひと言。
「えっ、意外といけるよ」
なんて心の広いヤツなんだ。泣けてくるじゃないか。それなら私も勇気をだして、いざ味見。

「あっ、本当だ。嘘みたい。」

疲れて帰宅した私はこうして、癒されたのだ。

あとで調べてみたら、ブルーベリーと味噌を混ぜる味付けが案外存在していて驚いた。味噌といっても白味噌だったけど、そんなことは気にしない。凍ったブルーベリーとの別れだって気にしない、気にしない。

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