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豆を撒いたら、春が来た

季節の年中行事は、なるべく行うようにしている。強いこだわりがある訳では無いけど、単純に楽しいからかもしれない。

節分もそのひとつ。
子どもの頃の節分といえば、父が大きな声で豆を撒くので、とても恥ずかしかった記憶がある。私と兄が恥ずかしいと嫌がる姿を見て、笑いながら
さらに大きな声を出す父。不器用な父にとっては、子どもとコミュニケーションが取れる、貴重な時間だったのかもしれない。今となっては良い思い出だ。

40年以上経った今では、率先して大きな声で豆を撒いている私です。子ども達は、思春期こそ積極的ではなかったけれど、成人した現在も一緒に豆撒きをしている。私に付き合ってくれているという方が正しいのかかもしれないが、、

今年もいつものように、窓を開け、柊と鰯を置いて豆を撒くために玄関を開けた。その瞬間、息子と娘、私で思わず「かわい〜い」と声をあげてしまった。上の階から幼稚園生くらいの子の声で「鬼は〜外、福は〜内」と聞こえてきたのだ。毎年豆撒きをしているけど、ご近所さんの声が聞こえるのは珍しいことだ。しかも、幼い子のかわいい声。
ついこの間まで、我が家でもあんなかわいい声で豆撒きしていたんだろうなと感慨深くなる。それと同時に、節分の豆撒きという行事を我が家以外でも、やっているという実感、別々の家だけど、一緒に豆撒きをしているような一体感を感じて、嬉しくなった。

そう、そう。これだよね。
豆撒きは厄祓いだとか、年中行事にはそれぞれ意味があるのだけど、それだけではないのかも。
家族で行うことで、いい思い出にもなる。子ども達の成長も感じ取れる。そして、ご近所さんとの接点にもなる。しかも、楽しい!良い事ばかりで、心に春がやって来たようだ。

今年もまたひとつ、思い出ができた。

節分が終わると、立春。
暦の上では春ですね。
まだまだ、寒い日が続くけれど、心に小さな春を携えて毎日過ごしていけそうだ。



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