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武蔵野な日々①

思えば小・中・高・大と通った学校全ての校歌に「武蔵野」の言葉が入っていた。
「武蔵野の森」「武蔵野の大地」「武蔵の○○」。
好きな本は国木田独歩の『武蔵野』。

そんな私が満を辞して(?)武蔵野の地に移り住んだ。

広がる野っ原、流れる小川、小高い丘に、たんぽぽが咲き乱れる草原。

ここは桃源郷か??と思いながら、毎日散歩している。

ズボラで怠け者、家の管理やご近所付き合いも苦手。だからずっと都心のマンション暮らしがサイコーだと思ってた。

管理人さんがなんでもやってくれて、お腹が空いたら近所の飲食店やウーバー頼み。
サクサク都心にも仕事に行けるし、美術館も映画館も美容室も大型書店もなんだってある。
都心サイコーじゃないか!(と、所沢暮らしが長かった私はこの10年信じ込んでいた)。

が、緑が少なく、ビルに囲まれた生活は、地味にストレスを溜め込んでいたみたいだ。
思えば、子ども時代は、お茶畑で駆け回り、梅の木によじのぼり、人参畑を散歩して、栗の木の下で栗拾い、川縁でつくし採りなんかを楽しんでいたのに、その出自を捨てて柄にもない都会暮らしが合うはずもなかったのだ。

そんでもって、武蔵野。

仕事の仕方もリセットして、思い切り自然を満喫して生きていきたいと、ようやく思えるようになった。

4月。ハナミズキが青空に映える。

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