テンペってなに?
私とテンペの出会いは、ヴィーガン(完全菜食)だった2008年頃。
ヴィーガンカフェで”おいしいよ〜食べてみて〜”と出されて食べて、全然美味しいと思わなかった。
私がヴィーガンになったのは2006年。
以後10年以上はベジ生活をすることになるのだけど、豆腐という最強のベジ食材で事足りていたので、テンペに関心向けることは一切なかった。むしろ”テンペ=おいしくないもの(わざわざ買うものでも食べるものではない)”と認識して、ヴィーガンカフェやレストランでテンペを見つけてもすすんで注文するようなことはなかった。
2014年のオーストラリア旅でテンペに再会するまでは。
(テンペに出会ったのはセルフビルドのストローベイルハウス(超超超快適)の毎日ヨガと瞑想を実践する五葷抜きのヴィーガン暮らしのおうち。)
その旅の話はここでは省略するが、そこで出会ったテンペがこれまで食べたテンペの印象とまったく違っておいしくて、
おいしいものに出会ってしまった→おいしいものは多くの人に知られなければいけない→大豆も絶対に手に入るし発酵機や他の器具も揃うことは間違いない→日本帰ったら作らなければ!
と、帰国してすぐに製造を開始、当時所属?していた自家製粉の米粉のおやつ専門店で米粉とまったく関係ないのにひっそりと販売を始めた。
(当時作ったテンペの玄米押し寿司とヴィーガンお節。)
そこから6年。2017年に前職場を離れて独立(しばらく厨房は間借りしていたけれど)、2020年には工房移転リニューアル、さらにはテンペの発酵機までDIYして現在では週に2回テンペを作っている。
そんな、私を虜にして暮らしの中心にまでなったテンペとは一体何なのか。
ざっくり説明すると、インドネシア生まれの大豆発酵食品で、クモノスカビという白い菌糸によって大豆がブロック状に固まった食べ物。
菌糸は食物繊維でデトックス効果がかなり高く、欧米諸国では特にベジタリアンの人々の間で人気で肉の代わりに食べられていて、サラダ、ハンバーガー、野菜炒めの具、などなど幅広い料理に使われている。
日本でもヴィーガンのお店でちらほら見かけることがあり、一般的には、冷凍か真空状態で流通しているが、まだまだ馴染みの少ない食材かなと思っている。
(白いモフモフは全部菌糸。)
日本で馴染みが低い理由として考えられるのは、まず、おいしくないこと、そしてあまり売っていないこと、豆腐・揚げ・厚揚げ・がんもどきなど大豆食品がおいしくて大豆はもうすでに日本人には足りていること、が考えられる(超個人的見解)。
おいしくない、というのは本当に残念なことだけど、でも私自身もずっとそういう印象を持っていたのが事実だし、元々健康志向でテンペ食べたことがある人ほどテンペに対して残念な印象を持っている。テンペを作って販売するようになってからもそういう人に何人も出会ってきている。
でも、そういう人ほど、木下実験室のテンペを食べて頭の上にまず”!”がともって、”なんで?これおいしい?本当にテンペ?”となる。見ていて本当に楽しい。
じゃぁ、彼ら彼女ら、そして私自身が食べてきたテンペと、オーストラリアで虜になったテンペであり、木下実験室で販売しているテンペは何がちがうのか?
それは、木下実験室のテンペは冷凍でも真空でもない”生”の状態で販売しているから。そして、できたてほやほや、フレッシュだから。
生テンペは正直、小規模生産だとリスクが高い。菌が生きているからおいしいのだけど、生きているからこそ冷蔵庫でも熟成が進んで味わいが変化し、テンペができあがってから1週間経つと熟成感のある味わいになる。要はなまものなので流通が難しい。それでも”生”にこだわって作り続けている。
それくらい、”生”テンペはおいしいのだ。できたてほやほやは特に。
(滋賀県在来種大豆”みずくぐり”。洪水が多かった地でも生き延びてきた品種。甘みが強く脂質も高くて大豆そのものが非常に美味。)
なので、これまでに市販のテンペで残念な思いをした(元)ヴィーガン・ベジタリアン・健康志向の人たちにこそ、”生”テンペを食べてほしい。必ずびっくりする。
そんなわけで、注文お待ちしています。
毎週金曜日発送、月曜日午前中〆切です。注文方法や原材料など詳しくは、こちらから。
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