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明るくない曲が中高生の間で流行っているというギャップ

平成と令和を往来する14歳なので、SpotifyでYOASOBIの曲を聴いています。

YouTubeの広告でやたらと流れてくる曲が気になって検索した次第で、あの曲が有名な『夜に駆ける』なのかなと当初は勘違いしていたのですが、『アンコール』という曲でした。

『アンコール』はミニアルバム『THE BOOK』の2曲め。1曲めはイントロダクション的な短いインスト曲なので、実質的にこれがトップチューン。

いきなり「明日世界は終わるんだって 君にはもう会えないんだって」と不穏な歌い出しで始まる。

バックの音は現代っぽくほとんどパソコンで作成されているのだそうですが、今どきここまであからさまに打ち込みなドラム音を逆になかなか聴かないので、なんとなく懐かしい。

そして、YouTubeの広告でさんざん聴いた例の美しいサビへと流れ、結局のところハッピーエンドだったかバッドエンドだったかは謎のまま唐突に終わる。

曲間が全くないので、次の曲『ハルジオン』と繋がっているように聴こえます。歌詞の世界線も繋がっているのだろうか。

そしてこの『ハルジオン』もどっかで耳にしたことがある。さすが2020年に最も注目を浴びたヒットメイカー。


どうやらYOASOBIというのは、小説を音楽として表現するユニットとして結成されたらしく、それぞれに元のストーリーがあるようです。

中盤以降の曲はまだちゃんと聴き込んでいませんが、暗いとまではいかないまでも、全体的にどこか悲壮感が漂う。

少なくとも、通学中や通勤中にイヤホンで聴いて、今日も1日がんばるぞいと自分を奮起させるようなタイプの音楽ではない。

ラストの曲がこれまた30秒ほどのSE的なインストなので、その1つ前の『夜に駆ける』が実質的なエンディングなのですが、「変わらない日々に泣いていた僕を 君は優しく終わりへと誘う」と、やっぱり不穏なことを歌い残す。

ちょっと調べてみたところ、どうもこれは自殺を仄めかした歌詞のようですね。それが現時点で最も売れている曲というのが面白い。

中高生の間で流行っている曲を(本当は14歳なんだけど世を忍ぶ仮の姿では)アラサーのわしも学習してみんとするかのうという感じではなく、なんかふつうにハマりそうだ。しっくりと溶け込んでくる。

が、それと同時に、これが若人に人気というのに、わしゃあ何かどうも違和感を覚えるんじゃのう。


なんというか、平成時代の「若者の間で人気のヒットソング」というのは、明るくて前向きで、カラオケでタンバリンを鳴らしながら盛り上がれるような曲が基本だった、という印象があるのです。

ものすごくわかりやすいたとえでいえばFUNKY MONKEY BABYSで、2010年代前半は実際にそこらじゅうでファンモンの曲を聴きました。

それより昔だとモーニング娘。の『LOVEマシーン』みたいに、みんなも社長さんもwowwowするようなテンションの曲が好まれたと思うのです。

ミスチルの桜井さんもかつて『傘の下の君に告ぐ』という曲で「憂いの歌は売れない」と歌っておられました。


だもので、このように内省的でテンションが高いとはいえない音楽が今の若者の間で流行っているJ-POPというのは不思議な現象だなあと思います。

とか書いているうちに1周しました。9曲しかないミニアルバムなので、実にあっさり終わる。全くwowwowしなかった。


そういえば、平成時代のヒット曲ってしょっちゅうwowwow言っていた気がするんですが、いつのまにかwowwowの文化ってなくなりましたね。

そこらへんを調べてみようとググったんですが、予想どおりWOWOWばっか出てくる……。うーん。J-POPのwowwowに詳しい識者の方にご教授を願いたい。

で、3周してみたところ、やっぱり『アンコール』と『夜に駆ける』が特に気に入りました。この中だとちょっと異色に思える、メッセージ性を感じる『群青』もなかなか。


サウナはたのしい。