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夢がありすぎる時代

のっけからなんなのですが。

「今の時代には夢がない」とかいう常套句がありますが、あんなもんは嘘だと自分は思うんですね。

いちばんわかりやすい例が、小学生がなりたい職業ランキング上位にユーチューバーが食い込んでいる、というやつ。アカウントを作れば、誰でも動画を世界に発表できる。夢あるやん。え?それで食っていけるわけない?それは、勝手に大人が夢を取り上げているだけでしょ、という気分になるのです。

実際になれるのか否か、っていう話でいえば、イチロー選手や大谷選手に憧れて野球選手を目指すのと、そう大差はないんじゃないかと。がんばってみて無理だったら辛いけど、それはどんなことだって同じ。別に、その前の過程で干渉することないんじゃないの。

そして、昔に比べて今は夢がない時代、という言い方もあんまり好きじゃない、というか、嫌いです。

20年くらい前、ゲーム機でCDが再生できるってものすごい大事件だったのですが、その後にはDVDが再生できるようになって、更には予約録画までできるようになった。わざわざおもちゃ屋に行かなくてもゲームソフトが買えるようになった。かつてはドット絵グラフィックだった画像が、今やまるで実際にそこにいるかのような仮想体験までできるようになっちゃった。

だいたい同じ頃、世界初のハイブリッド車として発表された初代トヨタプリウスのCMがばんばん流れていました。鉄腕アトムを中心とした手塚治虫作品のキャラクターたちが、プリウスの姿を見て感銘を受けているCM。ハイブリッドではなく完全な電気自動車が発売されたのが10年前。今はフツーに街中を電気自動車が走っている。

まだ完全ではないけど、スーパーのレジは機械がやってくれるようになっていたり、現金もカードも出さずにスマホだけで支払いができたり。

だいたい、今これを書いているスマホ自体が、20年前の自分にとっては夢の機器です。携帯電話でネットが繋げることに驚いたのが15年前。携帯電話が四角くなってスマホと呼ばれるものに切り替わったのが10年前。月額1000円とかで音楽とか映画とかがいっぱい聴けたり観れたり、メールも通話もずっと無料のアプリがあったり。

何が夢のない時代だよ。すげえよ。

さらに30年後はどうなるのかというと、これはもう想像がつかないわけで。

アトムやドラえもんみたいに感情を持つロボットが出てくるかもしれません。車は空を飛べるかもしれません。

アトムとドラえもんはあんまり欲しくありませんが、もしその手のロボットが開発されたら「すげえ!」って感動するだろうし、空飛ぶ車だって同じ。自動で料理を作ってくれるシステムとか、どんな病気も治せる薬とかが出てくるかもしれない。

でも、そのうちにそれが日常になってしまえば、その頃には良い年齢になっている自分も「昔は夢があった」と嘆いてしまうのかもしれません。

当面は、自分は歯向かいたいな。むしろ今は、夢がありすぎる時代だよ。めっちゃおもろいよ。たぶん30年後も。

サウナはたのしい。