缶のポカリを求めて三……分のニ里(約2.6km)ぐらい

缶のポカリスエットは、ペットボトルのものよりもゴクゴク一気に飲める……。

という話をTwitterで目にして以来、近所で缶のポカリを探し回っているのですが、意外にもなかなか見つかりません。ペットボトルのやつはすぐ見つかるけど、缶のほうは本気でレア。

缶のポカリが置いてあるのは基本的に大塚製薬の自販機のようで、別会社のコカコーラやキリンの自販機には置いていないようなのですが、まず大塚製薬の自販機が近所になかなかない。

チェリオの自販機や、おいなはれ自販機はアホほどあるのに。

チェリオは本社が地元に近い関係でやたらと遭遇率が高いのですが、自分はチェリオやライフガードは甘すぎて飲めないので、お世話になることはほとんどありません。本当にアホほどあるけど。

おいなはれ自販機というのは大阪市内によくある自販機(特に生野区に多いような気がする)で、50円〜100円の破格で売られている自販機です。基本的にはよくわからないメーカーのよくわからないジュースやコーヒーが並んでいますが、たまに三ツ矢サイダーの変な味とか一瞬でコンビニから消えた缶コーヒーの銘柄などがあります。アレどっかで売れ残りを買い取っているんだろうな。

しかし、今さがしているのは缶のポカリが買える自販機なのです。探しあぐねてもう1週間くらいが経ちます。

ていうか缶のポカリってこんな入手困難なものだったっけ？いつでもどこでも売っているものだったのでは？

まあいつでもどこでも手に入る方法そのものはひとつだけあって、それはこの文章を打っているスマホの別枠でAmazonのページを開けば良いだけのことなのですが、なんかここまで来ると、リアルに缶のポカリを見つけてこの手で缶のポカリを持ち帰りたい。

まだAmazonがそんなにメジャーではなく、なおかつ自分はケータイもパソコンも持っていなかったので、どちらにせよ利用できなかった高校生の頃。

今ではよっぽどマニアックな代物でなければインターネット上のどこかに情報が落ちていますが、当時はちょっとマイナーな本やらCDやらは、お店に言って取り寄せてもらうか、ひたすらいろんなところを探し回るしかありませんでした。

そして目的のブツを発見し、入手した帰り道のあのホクホク感。

今や推しのアーティストの新曲は速攻Spotifyで聴けるし、マンガの単行本もネットで買えてしまうので、そういうホクホク感は久しいものになった気がする。

最近は水とか除菌ペーパーですらワンクリックで買っちゃうようになっている、このサイバー社会に甘えきっている自分を、少し見つめ直すべきなのではないか。

とはいえ、近所はあらかた歩いたので、もう無理かもしれません。　　

このご時世なので旅行なんてできませんし、このご時世じゃなくても缶のポカリを探すための旅行というのが意味不明すぎる。patoさんかよ。

patoさんというのはライターさんで、新幹線の全ての駅で下りる旅、2日間ずっと140円の切符で電車に乗り続ける旅、チェジュ島を自転車だけで一周する旅などの意味不明な旅行をさ(せら)れています。

あのおもしろ長文には憧れるけど、缶のポカリを探す旅じゃあまりにも弱すぎる。

今日は例のアレのワクチンの接種に行ったのですが、その帰り道でも自販機をくまなく探し歩きました。しかし見つかりません。スーパーやドラッグストアにも立ち寄ってみましたが全滅。

というか缶の状態で販売されているものって今や8割がたがコーヒーで、飲料はペットボトルで提供するのが基本になっているっぽいです。

ちょっと前にクラフトボスが登場した時に、ペットボトルのコーヒーが出てきて驚いたものですが、もう缶というもの自体が前時代的な産物となってきているのかもしれません。かくいう自分も、途中まで飲んで置いておけるクラフトボスは気に入っていてよく買うし。

こんなんじゃこのテキストもろくにオチねえ。また下書きが増えてnoteサーバーを無駄に圧迫するろくでなしユーザーになっていくのか……。

とトボトボと家路に向かっていると、それは唐突にありました。
　

「ポカリ、ゲットだぜ」

憧れのpatoさんにはなれませんが、憧れのポケモンマスターならぬポカリマスターにはなれました。火の中でも水の中でもあの子のスカートの中でもなく、ふつうにわりと地元の、大塚製薬ではなくmeijiの自販機にそれはあったのです。

さっそくゴクゴクと一気飲み……しようとしたけど、思っていたよりもスルッと入らない。ていうか甘い。缶のポカリ甘い。確かにペットボトルのよりはサラッとしている気はするけど、それでも甘いわ。

その昔、「甘くないポカリ」という触れ込みで、ポカリスエットステビアという商品があったのですが、再発してほしいなあ。

結局、缶のポカリとペットボトルのポカリとに思っていたよりも違いを見い出せなかったので、これからもポカリステビアの後継であるイオンウォーターを買います。