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新方向ファミリア

うちの親の車は、代々マツダ・ファミリアでした。

物心ついたあたりまで乗っていたのは、6代めのBF型3ドアハッチバック。

1980年代前半に一世を風靡し、若いサーファーを中心に大ヒットしたといわれる名車ですが、当時の時点でもう15年以上は昔の車。

地名が略されている1文字のナンバープレート(泉58)だったり(1988年に和泉に変わったらしい)、フェンダーミラー(ボンネットにバックミラーが付いている、昔の乗用車に多かった方式。現在はタクシーぐらいにしか付いていない)なのもダサいなあと思っていました。

そんな折、我が家もようやく新車を買うこととなりました。軽トールワゴンや小型ミニバンが台頭しはじめた頃だったので、そのあたりの車種への憧れもあったのですが、結局は購入したのは同じファミリアの8代め。BH系、当時のCMのキャッチコピーは「新方向ファミリア」。

両親は車に対するこだわりが特になく、いちいち違う車種の操作を覚えるよりも、なんとなく基本構造がわかっているファミリアでええわ、という感覚だったのでしょう。

これといった特徴は何もありませんが、いま見ても古く感じないし、なかなかに良い車でした。

エアコンの風が足元から来る独特の機構だったので、暑すぎず寒すぎず、エアコンが苦手な自分でも大丈夫でした。

あと、はっきりいって不人気車(正確にいえば、営業車や教習車としては売れたけど、ファミリーユーザーには不人気だった)で、あまり他人の車とかぶらず、珍しかったんですよね。

この世代のファミリアには、クーペタイプの「ファミリアNEO」も存在して、こちらはインパクトのありすぎる顔つきと、伝説的な不人気を誇っていたことで逆に車オタク界隈で取り沙汰されることが多いのですが、セダンはまあほとんど話題に上がりません。

ただ、そこが気に入っていたりもしました。だから一度は運転してみたかったのですが、自分が免許を取る何年か前に寿命を迎えてしまいました。

自分の教習車はマツダ・アクセラ(ファミリアの実質的な後継車)だったので、なんとなく血は受け継いでいるのですが。ただ、アクセラは街中のそのへんをばんばん走っているので、別に珍しくもなんともないんですよね。

サウナはたのしい。