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『ドラえもんの思い出と、いつかは終わるということ』

今日は9月3日。

先日のリオオリンピックで世界に紹介された、日本を代表するキャラクターの1人(1体?)、

ドラえもん

の、お誕生日です!

マイナス96歳おめでとう!


『ドラえもん』は、自分が産まれて初めて読んだマンガです。産まれて初めて映画館で観た映画も、『ドラえもん のび太と雲の王国』です。ドラえもんチョロQみたいなものがもらえました。

いつだったかのアニメスペシャルで、原作者の藤子・F・不二雄先生が出演されたことがあって、視聴者からの質問に答えるという内容でした。「のび太たちは東京のどこに住んでいるんですか?」という問いに「練馬区」と答えていらしたのを憶えています。

そしてそれが、自分が見た最初で最後の、話しているF先生の姿でした。とても真面目そうなおじいさん、という印象でした。まだ50代後半くらいだったはずなので、いま思えばおじいさんというほどの年齢ではないのですけれどもね。

その数年後の9月23日に、F先生は他界されてしまいました。自分が小学4年生の頃ですが、朝のかなり早い時間から、母親に叩き起こされたのです。「ドラえもん描いた人、亡くなった、って……」。

急いでテレビを視たら、「ドラえもん号泣」というテロップが表れていました。そしてその下には、F先生が亡くなられたことを報せる文字がありました。

じかに会ったことがない人の訃報を聞いて泣いたのは、後にも先にもF先生だけです(hideさんは亡くなった後でちゃんと知ったので)。

近所の図書館で、タイトルに『ドラえもん』と銘打たれている単行本をとにかくなんでも借りていました。F先生が描かれた原作の他にも、公式2次創作というか、様々なバリエーションがあったのです。

『ザ・ドラえもんズ』は三谷幸広先生の作品、『ドラえもん大百科』は方倉陽二先生の作品(方倉先生も、F先生の後を追うように亡くなられています)、『ドラえもんの学習シリーズ』はその他のアシスタントさんたちが描いているもの。

子供の頃とてもおバカだった自分は、もちろん全部をF先生が1人で描いているものだと思っていて、「なんか絵がいつものと違う気がするけど、徹夜で描いていて線がよれてるのかなあ」などと勝手に思っていました(もちろん、学年誌のほうの『名探偵コナン』も青山剛昌先生が全部1人で描いていると思っていました)。

そうではない、ということを理解したのは、当時コロコロコミックで連載されていた『ドラえもん のび太のねじまき都市冒険記』の作者が代わったことがきっかけです。

コロコロ誌上ではF先生が急逝されたことを報せるお悔やみの文章と、『ねじまき都市〜』の続きはチーフアシスタントの萩原伸一先生が描くという告知文があって初めて気づいたのです。他の人がドラを描いているパターンもあるのか、と。

萩原伸一(現在はむぎわらしんたろう)先生を悪くいうわけではないし、『ザ・ドラえもんズ』のノリは原作とは違う毛色だったけど、あれはあれで好きでした。

でも、少なくともオリジナルの『ドラえもん』は、終わってしまったのだな、と感じました。

(2014年の藤子・F・不二雄展で撮影したもの)


そして。20年くらいが経ちました。

F先生よりも長寿になってもずっとお元気だった、やなせたかし先生や水木しげる先生も他界されてしまいました。

タモリさんが生きている限りずっと続くんじゃないかと思っていた『笑っていいとも!』の放送も終了してしまいましたし、まさかのSMAP解散により『SMAP×SMAP』も年内で終了してしまいます。

そして今日、40年も無休で連載が続いている『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の連載終了がアナウンスされました。単行本200巻が最終巻になるそうです。200巻まで到達したなら、もう行けるところまで行ってほしいという気持ちも個人的にはあるのですが、秋本治先生のお考えもあるのでしょう。


当たり前のことなのですが、人にも、ものにも、「終わり」はある。残酷だけど、時間も環境も変わっていってしまう。そういうことを考えます。noteだって同じようなことで、昨日までフツーに投稿してたのに?というような方が退会されたりもするし、まあ何よりこのサイト自体がいろいろと不安定なんですけれども………まあ、それはともかく。

日常的にはそういう感覚は忘れていますよね。でも、それでいいのかなあとも思います。いつも終わりを意識して、などというのは疲れてしまいますからね。だから自分はまたnoteに変なマンガやバカな文章を出してやりたいと思っているうちはオフ会をやって会いたいと思う人がいるうちは会っておこう。

そして、たぶん、note.muが潰れても、関係が残る人は残るような気がするし、違う形でなら会えるかもしれない。なんの確証もないんですけど、まだ自分は連載中なので、別にそれでいいんじゃかなあと。

では、改めて、ドラえもん、

マイナス96歳おめでとう!これからだね!まだ製造されてすらいないからね!


#ドラえもん #エッセイ #コラム


サウナはたのしい。